広島ドラ3塹江“ダル流スライダー”だ

 広島・ドラフト3位の塹江(ほりえ)敦哉投手(17)=高松北=が20日、広島県廿日市市の大野練習場で初めてブルペンに入り、捕手を立たせて35球を投げた。披露した2種類のスライダーは、大リーグ・レンジャーズ、ダルビッシュ有投手(28)の握りを参考にしたもので、プロ入り決定後から習得に励む“新球”。最速150キロの剛球を生かすため、魔球を極める。

 リズム良く奏でる最速150キロの重低音が、室内練習場に力強く響いた。将来有望な左腕・塹江が、早くもそのベールを脱いだ。ただ、初のブルペン投球で重視したのは代名詞の直球ではなく、2種類のスライダーだった。

 高校時代から持ち球だったスライダーだが、カーブ気味の球速と、横ではなく縦に割れる変化に限界を感じていた。「引っ掛かって肘に負担もある。シーズンを通して投げられない」。自問自答を重ねていた昨年11月。ある出会いが分岐点になった。

 東大出身で横浜、日本ハムでプレーした松家卓弘氏。秦敏博野球部監督が高松高の教諭時代に指導した経緯で塹江の高校を訪問した。プロで8年過ごした先輩から「直球と同じ軌道、同じ腕の振りの変化球を使った方がいい」と助言を受けた。その上で同氏のチームメートでもあったダルビッシュの握りを教えられた。

 「親指を浅く持って、抑え込むように。(人さし指を)外に切るように投げるんです」

 ダルビッシュのスライダーは、世界でもトップクラスと言われる。回転軸と進行方向が一致した「ジャイロ回転」が特長で、打者の手元でグッと落ちる。手首を立てたまま振り切るため、腕の振り、球の軌道とも直球と変化がない。まさに求めていたボールだった。

 実際の投球に加えて、頭でも理解を深める。12月末には、同氏から「変化球バイブル」、「135キロの怪速球」(中日・山本昌著)、「メジャーで勝つ」(長谷川滋利著)の3冊の本をプレゼントされた。「夏が終わってから投球は良くなってますね」と読書効果を感じている。

 全ては150キロの直球を生かすため。「1軍で投げることが目標」と1年目からの活躍を思い描く。「細かい変化球を使いながら、直球を投げていきたい」と塹江。東大の頭脳とメジャーの技術で、早期1軍デビューを狙っている。

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