大瀬良猛省…痛恨2被弾でプロ初黒星

 「巨人5‐1広島」(9日、東京ド)

 広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が、2発を浴びプロ初黒星を喫した。2度目の先発は7回7安打3失点と粘ったが、いずれも失投を痛打されたことを猛省。プロの洗礼を、初勝利への糧とすることを誓った。打線は九回に1点を返すのがやっとで、チームは完敗。巨人と同率首位に逆戻りした。

 腰に手をやり、歯を食いしばった。大瀬良が悔しさをあらわにした。0‐2の七回、先頭の橋本に、高めに浮いたチェンジアップを右翼席に運ばれた瞬間だった。

 7回を投げ3失点。「最低の最低限(の仕事)ですね。ゲームはつくれたが、最後の本塁打が余計。七回で2点差なら野手の気持ちも変わる。あの1点をなくしていかないと」と、反省を口にした。

 二回には、無死一塁からロペスに左越え先制2ランを浴びた。スライダーが抜け、甘く浮いてしまった。「高いですよね。失投は全部本塁打。真っすぐは良かったんですが…」と、振り返った。

 最速149キロだった直球、カットボール、スライダーに加えて、この日はカーブ、チェンジアップを多投。緩急をつけて強力巨人打線に立ち向かったが、援護にも恵まれず敗れた。「気の抜けない打線だった。すごいです」と潔く脱帽。プロの厳しさを肌で感じた。

 野村監督は「(失点は)全部本塁打だったけれど、最後まで臆することなく投げた。気持ちは表れていた」と評価。山内投手コーチも「2本とも高め。前回(2日のヤクルト戦)より抜け球が多かった。でもこれも勉強」と前向きに捉えた。

 少年時代の大瀬良は「テレビ中継が巨人戦しかなかったので」と、家族全員で巨人を応援。特に10年5月に72歳で他界した祖母・喜代美さんが大のG党だった。長崎でテレビ観戦した母親・さつみさんは「(喜代美さんは)大地の投げる姿を見るのが生きがいだった。天国で応援しているはず」と話す。その巨人との初対戦だったが、プロ初黒星を喫した。

 それでも「自分は強い相手の方が燃える。ひるむことはない」と話していた通り、真っ向勝負を見せた。顔を上げ、しっかり前を向いて球場を後にした。

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