広島ドラフト１位の大瀬良大地投手（２２）＝九州共立大＝が２７日、長崎県諫早市内で「プロ野球長崎県人会」のイベントに参加。高校時代のライバル、今村猛投手（２２）と、初めて公の場で並び立った。来季は自身が先発し、セットアッパーの今村につなげて勝つ“長崎リレー”を思い描いた。

　午前中の野球教室。プロの先輩たちの中、まだジャージー姿の大瀬良は、自然と高校時代のライバル今村に近づき、言葉を交わした。午後の参加者との交流イベントも無事に終え「子どもたちとも接しられたし、同級生もいて良かった」と、笑顔で振り返った。

　今村と公の場で一緒になるのは、長崎日大３年夏、県大会準々決勝で対戦して以来。同年のセンバツ優勝校、清峰の今村に３‐１で投げ勝った。「今村の清峰に勝つのが目標だったし、大学時代も一番意識していた。これからは同じチームで切磋琢磨（せっさたくま）していきたい」。対戦後は連絡を取り合ってきた友人同士。互いの活躍を願った。

　来季の目標に新人王を掲げている右腕。「ローテに入れるようになるのが最初の目標」と前置きした上で、「先発でしっかりゲームをつくって、今村につなぎたい」と青写真を描いた。

　今村は「高校最後の試合ですごいボールを投げると思った。同じ舞台に立ててうれしい」と大瀬良を歓迎。セットアッパーの地位奪回を目指す来季に向け「大瀬良とは投げる場面が違う。１試合でも多く投げて、ゼロで抑えたい」と、奮起を誓った。

　イベントで同席した評論家の下柳剛氏（元阪神など）からは、同じ投手として助言を受けた。大瀬良は「ゲームに入るときの心の持ち方や、ベストの力を出せるよう準備してマウンドに立つ大切さを言って下さった。今後の生活に生かしたい」と感謝した。

　同郷、同学年の二人が躍動してもたらす勝利。相手を無得点で抑えれば、さらに輝きを増す。大瀬良は「そうなれば長崎の皆さんにも喜んでもらえると思う」と、故郷で思い描いた。