菊池、浩二超え宣言!歴史塗り替える

 「三井ゴールデン・グラブ賞表彰式」(28日、都内)

 広島・菊池涼介内野手(23)が28日、都内で行われた「第42回三井ゴールデングラブ賞」表彰式に出席し、“ミスター赤ヘル超え”を誓った。2年目で初受賞となったが、元広島監督の山本浩二氏(67)らが記録したセ・リーグ最多10度の同賞受賞を超えることを宣言。来季は今季19個の失策を0に近づけ、連続受賞を狙う。また前田健太投手(25)が2年連続3度目、丸佳浩外野手(24)が初めて受賞した。

 金色に輝くゴールデングラブ賞のトロフィーを大事そうに抱えた。「本当にうれしい。ビニール袋で汚れないように包んで、保存したい」。菊池は初のタイトル獲得に、満面の笑みを浮かべた。

 超人的な運動神経で人並み外れた守備範囲を駆け回り、好守を連発した今季。何度も守備でファンを沸かせたが、「この賞を獲れるとは思わなかった」。その理由は、リーグワーストタイの19失策という不名誉があったからだ。

 積極的な守備が裏目となり、無理なプレーで失策になることが多かった。それでも「エラーはエラーとして受け止めている」ときっぱり。手堅い守備をすれば失策数は減るが、「攻めていかなければ自分じゃない」とプレースタイルを変えず、「限りなく(失策数を)0にしたい」と力強く語った。

 忘れられない試合がある。5月7日のDeNA戦。前田健が先発した試合で、3失策を犯した。菊池の失策が大きく影響し、試合も3‐7で敗れた。

 「あの3失策で試合に負けてしまったから…。さすがにあの夜はへこんだ。家でイスに座ってボーッとしていた。あの試合には魔物がすんでいた」。思い出したくないような一日だったが、「あれがいい経験になったと思う」と、今は前向きに捉えている。

 今回の受賞で守備に、さらに自信を深めた。「まずは連続受賞を目指す」と言い切ると、「最多は(山本)浩二さんですよね」とニヤリ。広島の大先輩らが持つ、リーグ記録の10度のゴールデングラブ賞受賞まではまだまだ遠いが、「超えたい。歴史を塗り替えたい」と真剣なまなざしで訴えた。

 今後もスーパープレーが期待される菊池。「自分としては追いついた打球はすべてアウトにしたい。受賞したけど、自分はまだ追う立場。他の人から何かを盗んでいきたい」。どん欲な姿勢で進化を目指す背番号33から、来季も目が離せない。

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