浩二監督、重盗サイン「後悔してない」

 第3回WBC準決勝で敗退した日本代表が19日、サンフランシスコから成田空港着のチャーター機で帰国した。3連覇を逃した山本浩二監督(66)は記者会見で終始硬い表情。準決勝プエルトリコ戦の八回、手痛い失敗に終わった重盗のサインについては「成功すれば同点のチャンスになる。後悔はしていない」と言い切り、選手全員には「感謝している」と話した。

 3連覇の夢が破れ、会見場に現れた山本監督の表情は硬かった。「厳しい調整を強いられながら、2次ラウンドからチームが一つになった。素晴らしいチームを預からせてもらって、幸せに思っております。改めて野球っていいなと」。ほんの少し充実感もにじませ、言葉を絞り出した。

 プエルトリコ戦の八回。1点を返し、なお1死一、二塁で打者・阿部。ベンチは重盗のサインを出した。「(行けたら)行ってもいい」という、あいまいなものだった。結果は無残。二塁走者の井端はスタートを切らず、一塁走者の内川がスタートを切って大きく飛び出し、アウトになった。

 それでも、指揮官はこの場面の詳細には触れなかった。そして「ダブルスチールは100%の成功が大事。データからは100%の成功でいけると踏んだ。結果が悪かったけど、後悔はしていない」と言い切った。

 昨年10月に代表監督に就任。イチローら出場を要請したメジャーリーガーは全員が辞退した。純国産メンバーで臨み、1次ラウンド、ブラジル戦、2次ラウンドの台湾戦と苦戦が続いた。今大会全般の反省点を問われると「選手は状況判断できていたし、そんなに反省点はありません」ときっぱり。力を出し切っての結果だと強調した。

 解団式では選手、スタッフに感謝し、ねぎらいの言葉をかけた。「精いっぱい戦ったので満足感はある。みんなよく戦ってくれた」。帰り際には冗談交じりに「明日から入院しとるやろうな」とポツリ。2月15日の宮崎代表合宿から1カ月。激闘を終え、3連覇を果たせなかった疲労感が、指揮官の全身を包んだ。

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