鯉3位確定も下水流がプロ初打席初安打

 「広島3‐5中日」(3日、マツダ)

 中日に敗れた。143試合を終え、69勝71敗3分け。広島は1試合を残して02年から12年連続での負け越しが決まった。さらに3位が確定。敵地・甲子園でCSを戦うことも決まった。野村監督は「残念ですね」と唇をかみしめた。

 だが、敗戦の中で若い力が輝いた。ルーキーの下水流だ。この日、初めて出場選手登録されると、「7番・左翼」でスタメン出場。0‐1の二回、第1打席でプロ初安打となる中前打を放った。「初球から振っていこうと思っていた。よかった」。初々しく、汗をぬぐった。

 開幕1軍が視野に入っていた3月に右足の内転筋を痛めた。即戦力と期待され、開幕1軍が視野に入っていた中で離脱。「悔しかった」。その思いをバネに2軍戦に出場してきた。

 ウエスタン・リーグでは49試合に出場し打率・220と満足のいく結果は残せなかった。それでも指揮官が視察に訪れた、2軍のソフトバンクとの練習試合(1日・由宇)で中越えソロ。“勝負強さ”をアピールし、初の1軍切符を勝ち取った。

 前田智の引退試合という特別な試合でプロ初安打を放った。だが「もう少しね」。凡退した残りの3打席を悔やんだ。

 「まだCSがある。少しでもチームの戦力になりたい」。力を込めた背番号35が、日本一を目指す野村鯉の起爆剤となる。

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