後半戦に入ってカープ打線が好調だ。逆に投手陣に疲れが見える。打線に助けてもらいながらこの夏場を乗り切ることになる。エース級には完投をしてもらいたいが、春先から完投があまりない状況で、継投が大事になってくる。

　その中で永川勝、横山のベテラン中継ぎ投手に注目している。特に永川勝はイメージチェンジに成功した。守護神だった全盛時は１５０キロを超える直球とフォークで勝負していたが、今はスピードは１４０キロそこそこ。カットボールとスライダーを覚え、結果を出している。

　投手は年齢とともにどうしてんもスピードが落ちてくる。どこかで自分の投球スタイルを変える時が来る。１種類でいいから変化球を覚えることで新しい投球スタイルが確立できるものだ。

　僕も例に漏れず年を重ねるとスピードが出なくなった。その時にシュート系の球をシンカー系にしたことでイメージチェンジを図ることができた。昨年１年間、一度も１軍に上がることができなかった永川勝だが、器用に新しい球を覚えたことで見事に復活した。

　ただ、ベテランだけに頼っていては苦しい。昨年、セットアッパーとして活躍した今村が、本来の姿に戻るかどうかがチームの浮沈のカギを握っている。

　今村に求められるものはコントロールだ。自分をコントロールする、球をコントロールする必要がある。いい球を求めるだけでは相手打者もプロ。真っすぐだけなら１、２、３で振ってくるので打たれる。真正直にぶつかっていくだけの投球ではなく、同じ直球でも力んで投げるのではなくコントロールよく投げることが必要だ。また、永川勝同様に変化球をしっかりコントロールしていくことも大切だ。

　いずれにせよ、この夏は救援陣がどれだけ頑張れるかだろう。練習内容を工夫しながら体力を残して試合でエネルギーを使えるようにしてほしい。この夏を乗り切れば、秋口になると投手陣は比較的ラクになる。この１カ月が踏ん張りどころだ！！（デイリースポーツ評論家・高橋建）