【高橋建の目】永川勝に必要なことは…

 6月に入りました。交流戦もあと1カードで折り返しです。広島にとって鬼門とよく言われる交流戦ですが、ソフトバンク、オリックスと調子のいいチームと対戦し、4連敗はしたものの、10試合で4勝6敗と借金「2」まで盛り返し、セ・リーグでは首位をキープしています。

 ただ、交流戦では5月28日のロッテ戦(マツダ)で逆転負け、同31日の楽天戦(コボスタ宮城)ではサヨナラ負けと今季、これまでなかった敗戦がありました。どちらも永川勝が打たれたのですが、開幕してから2カ月が過ぎ、ここに来て疲れが出ているのは確かです。

 僕も入団直後と晩年は中継ぎを経験していますが、若いときだったら打たれたら汗をかいて気持ちを吹っ切る体力があったのですが、ベテランになると頑張り切れないときがあります。ここ2試合の永川勝を見ていると疲れを引きずった感じがします。

 永川勝は、体をいじめて吹っ切るのではなく、とにかく疲れを取ることを心掛けるべきです。心身ともにリフレッシュが必要でしょう。とはいってもリリーフというポジションは、試合は進んでいくわけで要領よく精神的、体力的なものの回復に努めなければなりません。

 救いもあります。守護神のミコライオが3日の日本ハム戦(札幌ドーム)から復帰を予定しています。5月中旬からミコライオがいなくなってリリーフ陣への負担が増えていたのも事実です。これで再びミコライオにつなぐことだけを考えればいいわけですから、精神的、体力的負担も軽減されるでしょう。

 打線は5月31日の楽天戦でちぐはぐな攻撃で完封負けを喫しても、翌日はきっちり先制点を取るなどバランスというか力があるな感じています。菊池、丸、エルドレッドが得点のパターンに絡んでおり、キラや松山がアクセントとしているのは打線が点ではなく線になっているように思います。エルドレッドの打率は下降気味ですが、それをみんなでカバーしていければいいと思います。

 先制点を奪いそれを投手陣で守り切るという広島の野球ができれば、交流戦の後半も大崩れすることはないでしょう。

 ◆高橋 建(たかはし・けん)1969年4月16日生まれ。横浜市出身。横浜高から拓殖大、トヨタ自動車を経て94年度ドラフト4位で広島入団。09年、メジャー挑戦(メッツで28試合登板、1敗、防御率2・96)。10年、広島復帰して同年、引退。日米通算487試合に登板し、70勝を挙げた。14年から高橋建オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/carp‐k‐takahashi/)を開設。

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