野村鯉ミスミス自力V消滅…継投も裏目

 「阪神7-4広島」(28日、甲子園)

 最悪の逆転負けで、野村鯉の自力優勝が早々と消滅した。広島は3点リードの八回、逃げ切りを図って守備固めをしたはずだったが、連続エラーでピンチを広げ、大量6失点。7回1失点と好投した武内久士投手(25)のプロ初勝利の夢もぶち壊した。順位も再び4位に転落。後味の悪い黒星だけに、今後に響くかもしれない。

 八回の攻撃を終えて、リードは3点。普通にプレーすれば勝てるはずだった。しかし、たった1本のヒットから、野村鯉の歯車はガタガタと狂いだした。

 前日の巨人戦に続き、今井が八回のマウンドに上がった。1死後、伊藤隼に右前打を浴びた。点差を考えれば慌てる場面ではないが、ベンチは動いた。代打・桧山が打席に入ると、野村監督は「桧山に代打の代打はない」と判断し、左腕の河内にスイッチ。ところがストライクが1球も入らず、四球を与えた。

 継投失敗で1死一、二塁。敵地甲子園のボルテージは一気に高まった。耳をつんざく大歓声の中、河内から代わったミコライオは、冷静に西岡を一塁へのゴロに打ち取った。併殺で3アウト…のはずが、この回から一塁の守備に入った松山が二塁へ悪送球。「ビビって大事にいきすぎた」。勝負弱さを露呈した守備で、1点を献上した。

 悪夢は続く。大和のセーフティーバントに素早く反応したミコライオが二塁へ送球したが、今度は安部が落球。1死満塁とピンチが拡大した。

 浮足立つ選手たち。そしてベンチ内の首脳陣も動揺していた。鳥谷の二ゴロの間に1点を失い、2死二、三塁。スコアは「4‐3」。まだ1点リードで、マートンを迎えた。逆転を阻止するために外野を前進守備にする選択肢もあったはずだが、ベンチは定位置を指示。結局、マートンの中前打で2者を簡単に生還させ、逆転を許した。

 野村監督は怒りをあらわにしながら振り返った。「(松山は)状況を把握していないプレーだった。情けない。あそこで併殺を狙いにいくからミスが出る。どうしたら勝てるかを考えてプレーしないと」。高チーフ兼守備走塁コーチも「一つ一つがひどすぎる。問題外」と顔を真っ赤にさせた。

 まさに天国から地獄。悲劇のような敗戦で、自力優勝の可能性が消滅した野村鯉。このような戦いをしていては、Aクラス争いから脱落するのも時間の問題だ。

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