苦悩の新人王…野村祐が昨年から7連敗

 「DeNA6‐2広島」(11日、横浜)

 昨季セ新人王が壁にぶち当たった。広島・野村祐輔投手(23)が2試合連続でKOされた。序盤から制球に苦しみ、結局5回4失点で降板。昨年8月22日のDeNA戦で勝利を挙げたのを最後に、7連敗となった。チームも連勝が3で止まり、わずか1日で最下位へ逆戻りした。

 これが2年目のジンクスなのか。新人王を獲得した昨季とは明らかに違う野村の姿がマウンドにあった。ピンチでも冷静に低めに球を集め打ち取っていたルーキーイヤー。しかし、この日はその面影はまるでない。要所で球が甘く入り、DeNA打線に痛打を浴びた。

 毎回走者を背負った。初回から三回までは何とか粘りをみせ、無失点で切り抜けたが、打順が二回り目となった四回につかまった。

 先頭の中村紀に死球。ブランコには中前打を浴び無死一、二塁とされた。冷静さを失った右腕は、ラミレスの初球に暴投。無死二、三塁と自らのミスでピンチを拡大させてしまった。その後、ラミレスに138キロ真ん中の直球を捉えられ左前2点適時打。さらに鶴岡にも左越え適時打を浴びた。

 「2点はともかく、そのあとの3点目は抑えてほしかった」と山内コーチ。その願いはかなわず、3本の長短打を浴びるなど、失点が続いた。

 「思ったところに投げられていない。粘り切れなかった」。続く五回にも金城に適時打を浴びた。首脳陣の我慢はここで限界に到達。5回8安打4失点で今季2敗目を喫した。

 昨年はリーグ2位の防御率1・98をマーク。ピンチを背負っても動じない投球が背番号19の持ち味だったはず。だが今季初登板となった3日のヤクルト戦(マツダ)でも三回に3失点するなど、5回4失点でKOされていた。

 安定感抜群の姿からはほど遠い内容に野村監督は首をひねる。「勝ちたいという気持ちの方が勝っている気がする。僕らよりも本人の方が深刻に考えているのかもしれない。点を取られた後、元気がないように見られること自体がマイナス。そういうことがないように指導していきたい」と心配そうに話した。

 試合後、野村自身は懸命に前を向くしかなかった。バスへ向かう通路を歩きながら「四球から崩れたわけではない。調子も悪くない。やることをしっかりとやっていくだけ」と、自らに言い聞かせるように力を込めた。

 前田健、バリントンらと先発の一角として勝ち星を計算される存在が、2試合連続での大量失点。現時点では出口の見えないトンネルに迷い込んでしまった…。

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