丸 絶好調4度目マルチも…逆転負け

 「広島6-7阪神」(5日、マツダ)

 打撃好調の丸佳浩外野手(23)が堂々の猛打賞だ。初回は1番・菊池の右前打、2番・丸の左越え先制適時二塁打、さらに3番・ルイスが右前適時打と続き、わずか5球で2点を奪う速攻劇。ただ、二回までに5点を奪う楽勝ムードが終盤に暗転。6‐6で延長戦に突入し、十二回に江草が打たれ、痛恨の敗戦となった。

 2番・丸が連夜の大活躍だ。初回無死一塁、メッセンジャーの初球、直球を捉えた。打球はグングン伸び、左翼手の頭上を越える先制の適時二塁打。打線に弾みを付けると、続くルイスは右前適時打。3連打、わずか5球で2点を奪うと、その後の好機に梵が犠飛。いきなり先制パンチの3点先行だ。

 丸は「打てのサインだったのでセンター方向に強く打ち返そうと意識した。逆らわずに良いスイングができた」と、会心の一撃を振り返った。

 3‐0の二回も攻撃の手を緩めない。2死一、三塁から重盗を決め、三走・堂林が本塁を陥れ1点を追加。なお2死二塁で再び丸が魅せた。

 追い込まれながら146キロを今度は引っ張った。打球は伸び、右翼手・福留も届かず、右中間を割った。快足を飛ばし適時三塁打とした。「速い球に振り負けないように心掛けた。今はいい準備ができている」。好調の23歳が5‐0とリードを広げ、この回限りでメッセンジャーをKOした。

 前夜4日のヤクルト戦(マツダ)の五回には果敢な走塁で敵失を誘発し、決勝点となるホームを踏んだ。開幕からの連敗を4で止め、今季初勝利をもたらした。走で負の流れを変えた丸が、この夜はバットでチームを勢い付けた。

 そして、中継ぎ陣が崩れ、5‐5に追い付かれた後の七回も打った。1死二塁から、左腕・加藤の初球を左前へ。今季2度目の猛打賞で好機を広げた。だがこの回、2死満塁は栗原が二飛に倒れ、球場にため息が漏れた。

 逆に1点を勝ち越され迎えた5‐6の九回2死から、起点となったのも丸だった。久保から四球を選ぶと、ルイスも四球。エルドレッドの中前適時打で6‐6の同点となるホームを踏んだ。土壇場で試合を振り出しにした。

 昨秋から新井打撃コーチの指導を受け、グリップの位置を大幅に下げる打撃フォームに大改造。ネット映像で現役時代の新井氏の打撃を繰り返し見ては研究した。コースに逆らわず、広角に打つ打撃スタイルは新井氏にうり二つ。「すべて新井さんの言う通り」と信じた結果が安打量産につながっている。

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