「広島紅白戦、白組２-２紅組」（２１日、天福）

　侍ジャパン撃ちで赤丸急上昇中の広島・鈴木将光外野手（２５）が２１日、日南キャンプ最後の紅白戦を豪快な適時三塁打で締めた。周囲から「シャケ」の愛称で呼ばれる男が開幕１軍へ、またまたどん欲にアピールした。

　二回２死一塁の第１打席だ。中村恭の３球目、甘く入ってきた直球を逃さない。強振した打球は左中間を真っ二つ。快足を飛ばして楽々と三塁まで到達した。「１打席、１球を大事に食らい付いていくだけ。実戦で結果を出さないといけない」。ケガに泣かされ続け、昨季に初めて１軍を経験した８年目の苦労人は、言葉に力を込めた。

　激しい外野争いの中、今キャンプは１軍当落線上でスタート。シート打撃などで結果を出し続け、１７日の侍ジャパンとの練習試合では１本塁打４打点の大暴れを見せた。野村監督も菊池、下水流と並び野手の“ＭＶＰ”に指名。「鈴木はファームでずっとやってきた。若い選手がいい動きをした」と絶賛した。

　０５年高校生ドラフト１位は、走攻守そろった「緒方二世」として期待されて入団した。くしくも今キャンプの打撃好調は、緒方打撃コーチの助言がきっかけであった。

　昨秋キャンプでステップ幅を広げるように言われ、力強い打球が飛ぶようになった。「物を押す時にはスタンスを広げた方が力が伝わる。長打力を出すために下半身を使った打撃に取り組んだ」と手応え十分に語った。

　まずは２３日から対外試合５試合を戦う沖縄遠征の切符を得た。「自分には何もない。必死にぶつかけるだけ」。外野の開幕１軍枠入りへ向け、勢い十分で沖縄に乗り込む。