久本“落合予言”信じてコイ入り決断

 中日を戦力外となった久本祐一投手(33)が12日、広島と正式契約し、マツダスタジアムで入団会見を行った。年俸は1000万円、背番号は「65」に決まった。前中日監督・落合博満氏の「カープは強くなる」との“予言”を信じ、広島入りを決断。貴重な中継ぎ左腕として期待され「井端さんを抑える」と古巣斬りへ燃えた。

 複数の球団の誘いから広島を選択した裏には、偉大な恩人の言葉があった。久本は入団会見で「落合さん(前中日監督)が『カープは強くなる』と言われていた。その言葉を信じて、強くなっていくチームの力になりたい」と明かした。

 落合氏の下でリリーフ左腕として貢献し、4度のリーグ優勝と07年の日本一を経験。「他のチームのことをあれこれ言う人ではない。落合さんの言うことは当たる。(広島入りを)報告した際も喜んでくれた」と、“予言”が決め手となった。

 さらに、ゆか夫人(30)はカープの元ホームランガールで、出会いも広島。「家はカープグッズでいっぱい」と言う。07年、前田智の2000本安打記録時の相手投手でもあり、広島には縁もゆかりもあふれている。

 その広島に投手王国・中日で培った経験のすべてをかける33歳。「投手では上から3番目(の年長)になる。野球以外でも話せる選手になりたい。練習、態度で示していきたい」と話した。

 140キロ超の直球に、多彩な変化球はまだ十分戦力になる。鈴木球団本部長は「あれだけ強いチームにいた投手。その経験を伝えて欲しい」と、常勝軍団のエキス注入に期待を寄せる。

 9年連続でカード負け越しの中日相手にも切り札。「(中日と)試合で真剣勝負するのが楽しみ。一番イヤらしい打者、(亜大、中日で)先輩の井端さんを抑えたい」。鯉の久本が古巣斬りへ闘志を燃やした。

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