巨人・松井新監督 背番号「90」は長嶋さんが監督として初めてつけた番号 エールあるとしたら「遅いよ、じゃないですか?」

背番号「90」のユニホームを着る巨人の松井秀喜新監督
 ユニホームに袖を通す巨人・松井新監督(撮影・西岡正)
 ユニホームに袖を通し、ポーズを決める巨人・松井新監督(撮影・西岡正)
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 巨人は23日、東京都内のホテルで会見を行い、日米通算507本塁打をマークした球団OBである松井秀喜氏(52)が第21代監督に就任することを発表した。背番号は「90」に決まり、推定年俸2億円の3年契約。30日に始まる秋季練習からチームに合流する予定だ。24年ぶりの復帰となった松井新監督は会見で、昨年6月に亡くなった長嶋茂雄さんへの思いを語り、巨人を黄金時代に導く覚悟を示した。

 決意に満ちたその瞳が少しだけ潤んだか…。松井新監督がジャイアンツのユニホームに袖を通す歴史的な日に、日本列島が歓喜した。その就任会見では恩師・長嶋茂雄さんから今、声をかけられるとしたらと問われ、首をかしげながら考え込むも、すぐに笑顔になった。

 「遅いよ、じゃないですか?おそらくね、誰よりもこの瞬間を楽しみにしてくださっていたと思います。その楽しみを生きがいにしていつも元気でいてほしいという気持ちも半面ありました」

 「最も愛する人」と呼ぶミスターと一緒に立った門出だ。濃紺のスーツにストライプのシャツ、ドット柄のネクタイは2013年、長嶋さんと国民栄誉賞の受賞セレモニーに臨んだ時のものだった。「これは監督とおそろいのスーツ」と選び、「常に自分の近くに監督がいるという気持ちで過ごしたい。今日はスタートなので」と表情も自然と緩む。現役時代から続く強い絆が結んだ巨人第21代監督の船出となった。

 ただ、目指すのは再現ではない。「私は長嶋茂雄にはなれません」。大きすぎる背中を追うのではなく、「新しい黄金時代を」と誓った。約8分間の所信表明では原点に立ち返り、巨人軍としての誇りを自らにも言い聞かせるかのように語りかけた。「ジャイアンツは常に強く、常に紳士であれ。ジャイアンツはアメリカ野球を追いつけ、追い越せ。一つ一つを着実に進めていきたい」。やるべきことは明確だ。

 至上命題は、V9以来となる黄金時代の再建。1965年から73年まで日本一という常勝軍で一時代を築くも、そこから日本一連覇は一度もない。松井新監督は「本当の意味での黄金時代はV9以来きていない」と断言。見据えるのは長期的な強さでもある。80年代後半から90年代中盤の西武や、近年のソフトバンクが作る時代を挙げながら「これからのジャイアンツに新たな黄金時代が訪れるように」と時代を彩るチーム作りに着手していく覚悟はできている。

 指導経験はほとんどない。「私は12球団の監督の中で一番劣っている部分であることを自覚しています。選手とともに伴走し、そして一緒に成長していきたい」と飾らない人柄が強みでもある。武器はなくても、愛した巨人の土台さえあれば、チーム全員で頂点を目指すことも可能になる。

 24年前、自らの意思で巨人を去った日を思い返していた。「あの日は全く笑顔を出すこともできませんでしたが、今日は満面の笑みで、自分のふるさとに戻ってきたつもりです」。恩師の待ち望んだ場所で、松井新監督は新たな歴史をつくっていく。

 ◆松井 秀喜(まつい・ひでき)1974年6月12日生まれ、石川県出身。52歳。現役時代は右投げ左打ちの外野手。星稜では甲子園へ春夏合わせ4度出場し、3年夏の2回戦明徳義塾戦で5打席連続で敬遠される。92年度ドラフト1位で4球団競合の末に巨人入団。NPB通算1268試合、打率・304、332本塁打、889打点。本塁打王、打点王、最高出塁率各3度、首位打者1度。02年オフFA宣言しヤンキース移籍。09年にはワールドシリーズで3本塁打を放ち日本人選手初のMVP。エンゼルス、アスレチックス、レイズと移り12年引退。MLB通算1236試合、打率・282、175本塁打、760打点。13年に巨人・長嶋茂雄終身名誉監督と国民栄誉賞受賞。

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