西条農 4強唯一の公立校が“雑草魂”でつかんだ中国大会切符 93年以来の甲子園へ福田監督「農業高校でもできるんだと」
「秋季高校野球広島大会・3位決定戦、西条農6-4広島新庄」(11日、ぶんちゃんしまなみ球場)
一丸でつかみとった中国大会切符だ。勝利の瞬間、西条農ナインは全員が拳を握り、笑顔の花を咲かせた。福田啓介監督(37)は「投手中心の守備をしっかりやらないと、どのチームにも太刀打ちできないと言ってきた。実践してくれた」と、選手をたたえた。
粘り、耐え抜いた。0-0の二回。1死満塁から登板した松木舜弥投手(2年)が、ピンチをしのぎ無失点。3点を返され5-4で迎えた七回2死満塁でも、空振り三振で逆転を許さなかった。
6年ぶりの中国大会切符は、反骨心のたまものとも言える。選手は地元出身者が大半。中学時代に名をはせたスーパースターは一人もいない。
エースの松木は「昔のチームメートを見返してやろうという気持ちが強かった」と力を込めた。松木自身は、中学時代は野手で、高校入学当初の球速は110キロ。練習を重ねて身に付けた制球力を武器に、強い気持ちで腕を振り抜いた。
県内2つある農業高校の1つ。選手たちは普段、学科ごとの実習で汗を流す。園芸科の選手は植物の水やりや世話をし、畜産科の選手は「ブタ班」として豚の世話に励む。実習期間になると、週に2度は練習を休むことがある。それでも勝ち上がれたことが、チームの自信につながった。
4強の中で唯一の公立校。そして農業高校の誇りを胸に、1993年夏以来の甲子園出場を目指す。「農業高校でもできるんだということを見せたい」と福田監督。中国大会を勝ち抜き、センバツ切符へ突き進む。
