元阪神の78歳老将・片岡監督が「甲子園最年長」へ第一歩踏み出す!大病乗り越え目指す64年ぶり聖地
「秋季高校野球広島大会・1回戦、呉港8-1広島工大高」(20日、鶴岡一人記念球場)
優勝候補の一角でもある古豪・呉港が、広島工大高を8-1で7回コールド勝ちした。阪神などで活躍した元プロの片岡新之介監督(78)は、2027年春のセンバツ出場を果たせば、大会時点で79歳4カ月。春夏を通じた甲子園史上最高齢監督となる。昨年夏には大腸がんの手術を受けたベテラン指揮官が、大病を乗り越え歴史的な挑戦への第一歩を踏み出した。
コールド発進にも片岡監督は表情を引き締めた。7回を投げて10奪三振、1失点のエース・大越友翔投手(2年)について「背番号1の重みを感じたのか、体も気持ちも少し重たかった」と振り返った。続けて「本人も分かっている。次に向けて自分で準備して、あとは試合で投げるだけ」と責めることなく奮起を促した。
目指すのは一人の力に頼らない野球だ。春から成長を続ける上杉翔真投手(2年)も控え、投手陣の層は厚みを増した。「一人だけで勝ち上がれるわけではない。全員が一番になるという思いを持つことが大切。初心を忘れず、気持ちを整えて次の試合に向かってほしい」と力を込めた。
今春に59年ぶりに広島大会を制した呉港にとって、甲子園は1963年に出場してから遠ざかっている。監督にとっても最高齢記録がかかる。専大松戸・持丸修一監督が今春に達成した77歳11カ月。春夏を通じた甲子園の最高齢記録は、大垣日大・阪口慶三監督が23年夏に記録した79歳3カ月だ。片岡監督が来春の聖地に立てば79歳4カ月となり、二つの記録を塗り替える。
昨夏の大会後には大腸がんの手術を受けた。甲子園最年長記録に「それは実現させたいですね」と歴史的な挑戦に意欲を示した。体調も「口が元気だから大丈夫。子どもたちと一緒に野球をやっていることが一番の薬です」と笑った。
西鉄、阪神、阪急で捕手として16年間プレーし、現役引退後は広島で17年間コーチを務めた。プロの世界で培った経験と勝負への執念は、78歳となった今も変わらない。「『内容が良かった』、『惜しかった』では終わりたくない。どんな形でも最後に勝っていればいい」。結果にこだわる言葉に、元プロ監督の意地がにじんだ。
ただ、視線は足元に向く。「まだスタートしたばかり。県内には力のあるチーム、私たちが挑戦しないといけないチームがたくさんある。一戦一戦、目の前の相手としっかり戦っていきたい」。大病を乗り越えた老将が、79歳での甲子園を見据え、一歩ずつ勝利を積み重ねていく。
