外国人初の沢村賞受賞者は?【プロ野球記録企画】

 デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回は外国人初の沢村賞受賞者を取り上げる。

  ◇  ◇

 ジーン・バッキーは62年途中に阪神へ入団した。米国マイナーを解雇され、途方に暮れていたところ、入団テストを受けないかという話が舞い込んだ。阪神首脳陣が見守る前で死に物狂いに投球を見せ、また打撃練習では特大アーチを何本も描き、契約を勝ち取った。

 杉下茂コーチから「たとえ失敗しても、そこから何かを学べ」といった指導に謙虚に耳を傾けた。先輩投手の小山正明が投じる球のコントロールに多大な影響を受け、着実に力をつけていった。

 63年には8勝を挙げ、ローテーションに定着する。バッキーの成長を見極めた球団は、思い切った血の入れ替えを断行した。小山を大毎(現ロッテ)へ放出し、代わりに強打者の山内一弘を獲得したのだ。現在に至るも「世紀のトレード」として語り継がれるこの出来事は、バッキーが重要人物として関わっていた。

 バッキーは期待に見事に応えた。なんと29勝と防御率1・89で、この2冠を獲得。外国人としては初の沢村賞に輝いた。トレードで獲得した山内は31本塁打を放ち、バッキーと投打の両輪となって2度目のセ・リーグ優勝に貢献。一方の小山は新天地で30勝を挙げ、関わった全員にとって意義のある一年となった。

 バッキーは69年に近鉄でプレーした後、引退し帰国。故郷のルイジアナで広大な牧場を経営した。「ハンシンタイガースのオカネね」と、古巣に感謝し続けた余生を送った。(デイリースポーツ高野 勲)

答え…ジーン・バッキー

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