智弁和歌山・中谷監督 昨秋敗戦契機にミーティング繰り返し細かな意思疎通徹底「日本一、仲間を生かすチーム」
「全国高校野球選手権・決勝、智弁和歌山4-3健大高崎」(22日、甲子園球場)
4万4700人の観衆を集めて決勝が行われ、智弁和歌山が健大高崎(群馬)を4-3で下し、2021年以来5年ぶり4度目の優勝を果たした。逆転2ランを許した直後の八回に、スクイズと暴投で逆転に成功。ヘルニアを患い、腰の手術から復帰した松本虎太郎主将(3年)は犠打で逆転劇を呼び込んだ。中谷仁監督(47)は21年夏に続き監督として2度目の甲子園優勝。プロ野球出身監督が夏の甲子園で複数回優勝するのは初の快挙となった。
中谷監督はかつての古巣の本拠地で、自身2度目の頂点に立った。前回Vの21年はコロナ禍で無観客。満員のスタンドを見上げ、「選手たちの勝ちたいという思い、スタンドのアルプスの応援、一体になった結果」。泣きじゃくるナインを満面の笑みで抱きしめた。
悔しい敗戦があったからこそ、歓喜の瞬間を迎えることができた。昨秋の県大会準々決勝は近大新宮に逆転負け。これが転機となった。チームでミーティングを繰り返し、「日本一、コミュニケーションを取る」をテーマとした。ただ、センバツ出場は逃した。
「全部中途半端で終わらせてない?」。夏を前に選手に投げかけ、より意識を強めた。寮や部室の掃除の際に、手持ちの仕事が終われば必ず他の部員に声をかける。野球の話はもちろん、細かな意思の疎通を徹底した。
その先に見据えるのは「日本一、仲間を生かすチーム」。互いを知ることが日本一につながる、指揮官の思いが選手とつながった。
◇中谷 仁(なかたに・じん)1979年5月5日生まれ、47歳。和歌山県出身。智弁和歌山の捕手として3度、甲子園に出場。主将として97年夏の甲子園で優勝。同年度ドラフト1位で阪神入団。06年に楽天、12年に巨人に移籍し同年に現役を引退。プロ通算成績は111試合で打率.162、4本塁打、17打点。14年に学生野球資格を回復し、17年4月から智弁和歌山のコーチ。18年8月に監督に就任し、21年夏の甲子園で優勝するなど春夏通算9度の出場。
