横浜・織田 空見上げ天国の渡辺元監督に届けた弔い星 また156キロ!10奪三振完封「見守っていただいてるって思っていた」
「全国高校野球選手権・準々決勝、横浜6-0花巻東」(18日、甲子園球場)
準々決勝4試合が行われ、横浜が花巻東に6-0で快勝した。今秋ドラフト上位候補の最速157キロ右腕・織田翔希投手(3年)が完封して4強入り。17日に81歳で亡くなった、横浜の監督として史上3位となる春夏5度の優勝を遂げた渡辺元智さんへの弔い星を届けた。神奈川県勢としては岩手県勢に対し夏初勝利となり、20日の準決勝では智弁和歌山と対戦する。
勝利を手にしたナインは指揮官の合図で一斉に明るい空を見上げた。織田が少し頰を緩める。「渡辺(元)監督さんに見守っていただいてるって思っていた」。思いを込めた123球だった。
初回から走者を背負いながらも、後半は変化球を増やして打者を揺さぶり無失点で10奪三振。甲子園の球速表示で史上最速タイの156キロを計7度も記録した。しかも九回を含め六回以降に6度計測した圧巻の投球。それでも「球速が出たにしろ、制球が乱れていた」と反省も忘れなかった。
17日には81歳で亡くなった、横浜の監督として甲子園通算51勝、史上3位となる春夏5度の優勝を遂げた渡辺元智さんの訃報が耳に入り、練習前に黙とうをささげた。右腕は「すごくショックというか、本当に現実が受け止められなかった」と振り返った。
最後に連絡を取ったのは10日初戦の沖縄尚学戦前だった。甲子園の室内練習場で村田監督を通じて電話で話した。「いつもと変わらないように『頑張れ』と言われた」。横浜入学時から「試合で悪かったことがあった際にはすぐ連絡をいただいて。本当に幸せだなと思う」と“おじいちゃん”のような存在に感謝した。
たくさんもらった言葉の中で大切にしていることがある。それは「視野を広く持つこと」。自分の投球にとらわれるのではなく、打者に目を向ける。今大会でも体現し、「リズム良く投げられている」とうなずいた。
試合後は大粒の涙を流す村田監督を目の当たりにした。普段あまり見せない姿に「勝たせることができてよかったかなっていう思いが一番です」と優しく笑った。その上で、「感謝と、あとはもう必ず勝って恩返ししたいなって」と夏制覇を約束した。
思いの強さはジンクスもはねのけた。これまで神奈川県勢は春夏合わせると岩手県勢に1勝5敗(夏は0勝5敗)と負け越している中、完封勝利で力の差を示した。目指す頂点まであと2勝。織田は「勝つことに意味があると思っているので、結果としては優勝したい」と目の光を強めた。
