智弁和歌山が5年ぶり8強 中谷監督「腹くくった」接戦勝ち抜く秘策ハマった 延長十一回5点奪取

 「全国高校野球選手権・3回戦、智弁和歌山7-3敦賀気比」(15日、甲子園球場)

 3回戦4試合が行われ、智弁和歌山が延長十一回タイブレークの末、敦賀気比(福井)に逆転勝ちし、優勝した2021年以来となる準々決勝に進んだ。終盤まで劣勢も八回に追い付くと、延長十回は守備の好判断で、無失点で切り抜けた。同十一回に3連打などで5点を奪い勝負を決めた。天理(奈良)は高川学園(山口)に逆転勝利でベスト8一番乗り。三重、仙台育英(宮城)も8強に進んだ。

 強打のイメージが強い智弁和歌山が、守り勝って5年ぶり8強を決めた。夏の甲子園通算45勝で早実に並び歴代7位に浮上。中谷仁監督(47)は「いろんな接戦で勝ち切れなかったことを課題に、克服しようと練習してきた」とうなずいた。

 鮮やかなバント封殺が流れを呼び込んだ。八回に2点差を追い付き、同点で無死一、二塁から始まったタイブレーク十回の守備。初球バントで三塁方向へ転がった打球を、三塁手・黒川梨大郎(りんたろう)内野手(3年)が捕球。二走を三塁で刺した。

 黒川が「2年前の霞ケ浦戦でタイブレーク負けしてから、接戦のために練習してきた」というシフト。投手のモーションと同時に三塁手と一塁手が素早く前進し、遊撃手が三塁カバーに入る通称「ブルドッグ」を成功させた。無失点で切り抜けると、十一回の攻撃は松本虎太郎主将(3年)が三塁手前へ犠打。3連打と犠飛で5点を奪った。

 2024年夏の初戦敗退が良薬になった。霞ケ浦戦の延長十回、先頭打者に犠打を決められ、その後2本の内野安打で2失点し、4-5で惜敗。以来、選手の提案で何度もサインプレーの練習を積み、今大会は初戦の前日に全員で確認して臨んだ。「打ってこられたら万事休す。やるなら初球しかないと腹をくくった」と中谷監督も選手たちも勝負をかけた秘策で、ここ一番の勝利をものにした。

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