横手・戸沢樹 聖地で浮かんだ亡き父の顔「しっかりプレーしたよしたよと伝えたい」

 「全国高校野球選手権・2回戦、敦賀気比10-0横手」(11日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、智弁和歌山が阪神・近本の母校である社に2-1で競り勝ち、近畿対決を制した。夏は5年ぶりに初戦突破し、和歌山県勢として春夏合わせて甲子園通算240勝に到達した。履正社は木村颯投手(3年)が今大会最多となる167球の完投で享栄に勝利。敦賀気比は13安打を放ち、57年ぶり出場の横手を10-0で下した。三重は5-3で松商学園を振り切り、それぞれ3回戦に進出した。

  ◇  ◇

 九回、左翼守備に就いたばかりの戸沢樹の元へ先頭打者の打球が飛んだ。フライをグラブに収めると、満員の一塁側アルプスから大きな歓声。「父が僕のところに打球を飛ばしてくれたのかな。うれしかった」と、今まで味わったことのない感情がこみ上げた。

 野球好きで優しかった父・亮さんは、高校時代に横手でプレー。その後、2011年センバツに21世紀枠で出場した大館鳳鳴を部長として率いた。しかし17年に病気のため37歳で死去。幼い頃に2人でキャッチボールをした思い出をたどるように、戸沢樹は半年後に野球を始めた。しかしプレー中に父の思い出がよぎることはない。「大好きだった父が急にいなくなって。つらすぎて、記憶の奥にしまい込んだ。思い出すと泣いてしまいプレーに集中できなくなるから」と感傷は封印し、野球に打ち込んできた。

 ネクストバッターズサークルで試合終了を迎えた瞬間、ようやく父の面影が浮かぶと同時に涙があふれた。打席は巡らなかったが「甲子園でしっかりプレーしたよと伝えたい」と空を見上げた。

 高校生だった父が目指した聖地は、やはり特別な場所だった。「神様が宿っているような、神秘的な感じ。100年以上の思いがこもった球場」と鮮やかな感動を手土産に、報告するつもりだ。

 ◆戸沢 樹(とざわ・たつき)2008年9月12日生まれ、17歳。秋田県出身。172センチ、70キロ。右投げ左打ち。外野手。小学3年から軟式野球を始める。大曲中時代は軟式野球部で全国大会出場。横手では2年秋に背番号「18」でベンチ入り。

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス