佐野日大 25年ぶり初戦突破 元阪神・麦倉監督の最後のマウンドから35年 感慨ひとしお「自分ももっとやりたかった」
「全国高校野球選手権・1回戦、佐野日大1-0聖隷クリストファー」(6日、甲子園球場)
1回戦2試合が行われ、佐野日大が聖隷クリストファーを1-0で下し、元阪神の麦倉洋一監督(55)は甲子園初勝利を挙げた。聖隷クリストファーの最速150キロ左腕・高部陸投手(3年)は9回1失点と熱投したが、1回戦敗退となった。神村学園は東筑に快勝。主将の梶山侑孜外野手(3年)が3安打を放つなどして2回戦に進んだ。
佐野日大の、夏の校歌は25年ぶり。麦倉監督が阪神の投手として最後にこのマウンドに立ってから、35年の時が過ぎた。「こんなところでいきなりナイターができるなんて。『気持ちいいだろ』と選手にも言いました」と明かした。
その喜びを倍増させたのはやはり、大会屈指の左腕、聖隷クリストファーのエース・高部を攻略できたことにある。
「エースの鈴木が抑えて、チャンスをものにできれば」のプランが見事にはまった。
「高部君を見て、鈴木も気持ちが入ったのでは」と、投手心理を熟知する麦倉監督が話した通り、鈴木も「投手戦になる。先制点を与えない」と自らに言い聞かせ、ストライク先行、攻めの投球で相手打線を6安打、無四球で封じた。
今年のセンバツでは無得点で敗れていた。麦倉監督は「高めの真っすぐは振るな、と言いましたが最初は手が出ていた。そこを修正できたのは、春とは違うかな」と選手の成長を認めた通り、五回に2安打で高部を揺さぶると、七回には敵失にも乗じた形で決勝点をもぎ取った。
「勝つにはこういう野球しかない」ところをやり切っての勝利。教え子たちと共に戦った聖地は「自分ももっと(現役で)やりたかったですね」と、記憶の何倍も美しく輝いて見えた。
◆麦倉 洋一(むぎくら・よういち)1971年7月29日、55歳。栃木県栃木市出身。右投げ右打ち。佐野日大のエースとして第71回全国高等学校野球選手権大会に出場。89年のドラフト3位で阪神に入団し、94年までプレー。通算12試合で2勝4敗。2018年に佐野日大の監督に就任。25年秋の関東大会で4強。26年センバツに出場。
