広商1年生の一発で広陵破った 谷浦「人生一番の当たり」逆転3ランで甲子園王手「先輩方がリラックスさせてくれるおかげ」
「高校野球広島大会・準決勝、広島商9-4広陵」(26日、マツダスタジアム)
準決勝2試合が行われ、広島商と福山が決勝戦(28日・マツダ)に駒を進めた。広島商は9-4で広陵を下した。2-4の四回、1年生・谷浦和馬内野手の左越え3ランで逆転。この回一挙5得点し、逃げ切った。決勝戦は2年ぶりの進出で、19年以来7年ぶりの甲子園出場に王手をかけた。福山は1-3の八回に3点を奪い呉に逆転勝利。1975(昭和50)年の創部以来、初めて決勝の舞台に上がる。
金属バットの甲高い打球音が、マツダスタジアムに響いた。左翼方向に舞い上がった白球は、力強い放物線を描く。2-4の四回無死一、三塁で、1年生の谷浦が逆転の左越え3ラン。「スタンドから歓声が聞こえて、うれしかった」。2年ぶりの決勝進出を手繰り寄せる値千金の一発だ。
捉えたのは、左腕・片寄の低めの曲がり球だった。中学まで苦手だった変化球対策として、入学前の昨冬に「カーブマシンで打ち込んだ」。課題の克服を目指して流した汗が、高校通算3本目で公式戦1号の記念弾を生んだ。「野球人生で一番の当たりかもしれない」。大舞台での最高の結果に表情がゆるんだ。
名門への進学は、中学2年のときに見た明治神宮大会がきっかけだった。24年秋。広島商は、初出場ながら準優勝した。受け継がれる守り抜く野球と粘り強い攻撃に「憧れた」。入学が決まり、広島工大高で野球に打ち込んでいた父からは「頑張れ」と背中を押された。憧れのユニホームを着て大仕事をやってのけた。
春季大会では、広陵と2回戦で対戦し、0-7の七回コールド負けを喫した。強力投手陣の前に放った安打はわずか2本だけだった。
荒谷忠勝監督(49)は、「県大会の負けを糧にし、成長をさせていただいた。毎年ですが、(広陵を)リスペクトしてます。そこの思いは、どのチームよりも強い。それを選手が形として出してくれました」と目を細めた。中本拓志主将(3年)も「負けたその日から気持ちを切り替えてやってきた。全員が成長できた結果」と胸を張った。
頼もしい1年生の姿に、中本主将は「打撃はすごい」と信頼を寄せる。谷浦は「先輩方がリラックスさせてくれるおかげ。決勝でも自分のできることを発揮して、チームに貢献したい」と力を込めた。
たくましさを増した広商ナイン。宿敵を打ち破った底力そのままに誓うのは、2019年以来となる歓喜の夏だ。
