最後の放棄試合は?スイングの判定で…【プロ野球記録企画】

 デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回は「最後の放棄試合」について取り上げる。

  ◇  ◇

 71年7月13日の阪急-ロッテ戦、7回表ロッテ攻撃中での出来事だ。江藤慎一のハーフスイングに対し、砂川恵玄(けいげん)球審の判定は「ボール」。これに阪急の岡村浩二捕手が「バットが回った」と抗議した。これに砂川球審は「ストライク」と判定を覆し、江藤は三振となった。

 当然おさまらないのはロッテ側だ。ベンチを飛び出した濃人渉監督が猛抗議を行う。審判団に説得に応じなかった濃人監督は試合再開を拒否し、放棄試合となった。

 なお放棄試合は、正しくは「没収試合」という。公認野球規則7・03で、試合の続行を拒否するチームに適用され、試合には当然負けることになる。

 この一件は世論の厳しい反発を招く。球団はこの後、濃人監督の2軍監督への降格を決定。大沢啓二2軍監督と交代となった。前年70年にロッテ球団発足後の初優勝へ導いた名将の更迭に、チームには沈痛な空気が漂った。ほかに罰金や阪急への補償金などの支払いも科せられる事態に発展した。

 シーズンを終わってみれば、ロッテは2位に食い込んだ。皮肉にも優勝は、因縁の相手阪急だ。ゲーム差はわずか3・5差。このゴタゴタがなければ、あるいは…。悔やんでみても、遅かった。(高野勲)

 答え 71年7月13日の阪急-ロッテ戦

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