巨人・則本 中継ぎ経験で痛感「途中で降りたら最低限の仕事をしたなとしか思えない」7度目登板で移籍後初勝利

 「巨人3-2オリックス」(2日、東京ドーム)

 ベンチで巨人移籍後初勝利の瞬間を見届けた則本昂大投手は、両隣に陣取っていた高梨、大勢の救援陣と喜びを分かち合った。7度目の登板、先発としては2023年9月以来の勝ち星。東京ドームのお立ち台で「サイコーです」と笑みを浮かべた。

  ◇  ◇

 マウンドを降りた則本は、無邪気な笑みを浮かべる後輩たちの良き兄貴分だ。「6個くらい下まで同級生だと思っていますよ」。ドラフト1位・竹丸(鷺宮製作所)のプロ初勝利時には高級スーツケースをプレゼント。勝負の世界で生きながら、人の喜びを自分の事のように喜べる男だった。

 5月13日の広島戦(福井)では7回5安打無失点の力投。1点リードで勝利のバトンをつなぐも、大勢が同点弾を浴びた。移籍初勝利は遠く、険しい道のりとなった。それでも則本の姿勢は変わらない。ベンチ最前列で声を張り上げ、沈む右腕の隣で寄り添い続けた。

 「2年間リリーフをやったおかげで中継ぎの大変さもわかる。自分は試合の途中で降りたら、最低限の仕事をしたなとしか思えないから」。9回を投げきってこそ生まれる先発としての意義。打たれた夜の孤独を知っているからこそ、手を差し伸べることができる。

 昨オフはメジャー挑戦を視野に入れて海外FA権を行使。複数球団からのオファーに「興味あるな」と心も動いたが、今年1月に市場が停滞したこともあって巨人への入団を決めた。長かった始まりの1勝。遠かった白星は託し、託されながらみんなでたどり着いた場所だった。(デイリースポーツ巨人担当・松井美里)

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