呉港 59年ぶり春王者 元広島コーチの78歳・片岡監督「一番になることだけを子どもたちは思っとった」 エース小川完封

59年ぶりの優勝を果たし、喜びを爆発させる呉港ナイン(撮影・市尻達拡)
ベンチから指揮を執る呉港・片岡新之介監督(撮影・市尻達拡)
完封した小川
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 「春季高校野球広島大会・決勝、呉港6-0近大福山」(10日、ぶんちゃんしまなみ球場)

 広島大会の決勝が行われ、呉港が近大広島高福山を6-0で下し、1967年以来59年ぶりに春の王者に輝いた。序盤から小刻みに得点を重ねてリードを広げ、エースの小川秦玄投手(3年)が7安打完封した。チームは30日から島根県出雲市の浜山公園野球場で開催される、中国地区大会に出場する。

 マウンドに歓喜の輪ができた。呉港ナインが、雲一つない青空に向かって人さし指を突き上げる。1967年以来59年ぶりの春王者。強い思いを胸に勝ち取った優勝に、喜びが爆発した。

 大一番でエース・小川が躍動した。立ち上がりから走者を背負いながらも要所を締めた。2点の援護を受け、4-0となった直後の四回は2死一、二塁のピンチを招くも、最後は空振り三振で得点を与えなかった。

 114球の熱投。130キロ台の直球を軸にカーブやスライダー、チェンジアップを効果的に投げ分けた。9回7安打無失点に「点を取ってくれたので、気持ち的に楽に投げられた」。エースの仕事を果たし、白い歯がこぼれた。

 春の頂点は半世紀以上ぶりだ。阪神や阪急でプレーし、現役引退後は広島でコーチを務めた片岡新之介監督(78)は「私は生きとったけど、子どもたちはみんな生まれていない。一番になることだけを、子どもたちは思っとった。良かった」と目を細めた。

 ライバルの存在が小川の成長曲線を伸ばした。新チームとなった昨秋から、大越友翔投手(2年)と背番号「1」を争ってきた。「大越は制球力が抜群。自分は変化球のキレで勝っている。普段の練習から『大越よりちょっとでも練習しよう』とやってきた」

 背番号「11」の大越は、準々決勝の広陵戦で1失点完投。準決勝の呉戦は、6安打で完封していた。自身がエース番号を背負う今大会。大一番で、誇りと負けられない思いで腕を振り抜いた。

 30日からは春季中国地区大会に出場。7月には、いよいよ夏の広島大会に臨む。「目標は甲子園です」。小川は、短い言葉に全ての思いを込めた。

 ◆呉港(ごこう) 1818年開設の私塾が前身の私立校で、所在地は広島県呉市。甲子園出場は春5度、夏6度の計11度。戦前の1934年、後に「初代ミスタータイガース」と呼ばれる藤村富美男を擁し、旧呉港中として夏の全国選手権大会で初優勝した。最後に聖地の土を踏んだのは1963年の選抜大会で、夏の選手権大会では1937年までさかのぼる。

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