山梨学院 2年生エースを異変から守ったプロセス 捕手がベンチに視線→異例の伝令 吉田監督「もう代えた方がいい合図を」1回で交代を決断

 「全国高校野球選手権・準決勝、沖縄尚学5-4山梨学院」(21日、甲子園球場)

 山梨学院の2年生エース・菰田陽生投手が右肘を痛めて1回で降板。その際、捕手も含め全員で異変を察知していたことが試合後の取材で明らかになった。

 吉田監督は「伝令が振り向いて、もう代えた方がいいみたいな合図をしたので早く(2番手を)作らせて」と明かした。初回、宜野座に同点をタイムリーを浴びた直後、明らかに球速が低下。変化球も上ずった。

 比嘉に対して3球目を投じた後、カウント2-1となったところで捕手の横山がベンチに視線を向けた。指揮官も異例のタイミングで背番号15の伝令・高橋を送った。マウンドに到着して菰田に一声かけた直後、すぐさまベンチを振り向いて何らかの合図を送った。

 すぐさまベンチに戻り、吉田監督と言葉をかわす。ここで指揮官は交代を決断した。「暴投した時に痛めたと」。素早い決断だった。

 身長194センチ、体重100キロの菰田。恵まれた体格から150キロのストレートを投じ、打者としても打率4割超をマークする二刀流の逸材だ。右腕もベンチに戻り「自分が痛いといった」と試合後、涙ながらに明かした。勝ちたいという思いを監督、選手たちがサポートすることで大事に至らないように防いだ。

 「早めに代えたので秋は投げられると思う」と語った吉田監督。試合後、ベンチ前で大粒の涙を流し、アルプスへのあいさつ後に泣き崩れた菰田。「来年、絶対に戻ってきたい」と必死に前を向いた。

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