沖縄尚学 夏初Vあと2 エース末吉が好救援3回0封「一戦必勝でいきたい」
「全国高校野球選手権・準々決勝、沖縄尚学2-1東洋大姫路」(19日、甲子園球場)
沖縄尚学・末吉良丞投手(2年)の名がコールされると、一塁アルプスから大音量の指笛が鳴り響いた。地元応援団の声援を背に一つずつアウトを積み重ねていく。ゲームセットの瞬間、大歓声に包まれながら琉球のヒーローはぐっと拳を握った。
1点リードの七回から2番手で登板。いきなり2死二塁を招くも右飛に打ち取って危機を脱出した。九回2死一、三塁では三回に左翼ソロを放った桑原を迎えると、ストレートであえて四球。「リスクを取りながらも最善の選択をしないといけない」とベンチの指示ではなく、自身の判断で“敬遠”してクレバーな一面を見せた。
続く2死満塁で遊ゴロに抑え1点リードを死守。17日の仙台育英との3回戦では延長11回を完投。169球の熱投から中1日でも、3回3安打無失点で疲労の色を感じさせない好救援を遂げた。
両親から怠け者と叱られることもある16歳。練習がオフの日は下校後すぐに布団に入り、12時間以上眠ることもあるという。「野球になると変わる」と普段はおっとりした性格だが、一度マウンドに立てば表情は一変。ギャップを兼ね備える最速150キロ左腕が同校初の夏4強に導いた。
次戦は同じ2年生で最速152キロ右腕の菰田を擁する山梨学院と対戦する。「一戦必勝でいきたい」。10年の興南以来県勢2度目となる夏の頂点へ、末吉が沖縄の英雄となる。
◆末吉 良丞(すえよし・りょうすけ)2008年11月18日生まれ、16歳。沖縄県浦添市出身。175センチ、89キロ。左投げ左打ち。投手。小2から仲西ヴィクトリーで野球を始め、仲西中では軟式野球部に所属。沖縄尚学では1年夏からベンチ入り。今春センバツは背番号「1」で出場。今夏沖縄大会では4試合で計29回1失点で40奪三振。





