仙台育英 1年生二遊間コンビの超美技併殺プレー 砂&有本で流れ呼んだ!夏通算48勝、歴代5位PL並んだ
「全国高校野球選手権・2回戦、仙台育英6-2開星」(14日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、仙台育英(宮城)が開星(島根)を6-2で下して3回戦に進出した。1年生同士で二遊間コンビを形成する遊撃手・砂涼人内野手と二塁手・有本豪琉内野手が聖地がどよめく驚きの併殺プレーを披露し、PL学園と並んで史上5位となる夏48勝目を挙げた。横浜(神奈川)は綾羽(滋賀)を5-1で撃破して今春センバツVから甲子園8連勝とした。沖縄尚学は鳴門(徳島)を3-0で下した。
美しき併殺プレーに聖地がどよめいた。仙台育英が1点リードの五回無死一塁。開星の1番・小村の二遊間を抜けそうな鋭い当たりを、二塁手・有本が逆シングルで好捕した。遊撃手・砂の「二つ!」の送球指示に反応して、すぐさまグラブトス。受け取った砂も流れるような一塁転送で併殺を完成させ、相手の反撃を断った。
かつて中日の二遊間で鉄壁を誇った井端弘和-荒木雅博のアライバコンビのような“プロ級”の美守。これで勢いは完全に仙台育英だ。直後の攻撃では相手の暴投で1点を加え、六回には適時打2本。“アリスナ”コンビが守備から作った流れをものにし、PL学園に並ぶ歴代5位の夏通算48勝目を手にした。
砂は攻守にセンス抜群でU15日本代表だった逸材。一方で3年前の全国制覇に憧れて、兵庫県から仙台に来た有本は“打撃の人”だ。二塁守備ならば、途中出場した3年生の中岡が上。須江航監督(42)は「(有本は)打線の起爆剤。そういう選手が守備で貢献するのは甲子園らしい」と聖地の力を実感していた。
実力を認めるライバルがいるからこそ、成長できる。「3年生になれば砂を超えるぐらいの守備力をつけたい」と有本は意識する。だが、グラウンドの外ではバチバチとした関係ではなく、一人の友人。寮では野球の話を一切せず、苦手な勉強を教え合う仲良しコンビだ。
大舞台で見せた急成長を須江監督は漫画に例えた。「『ドラゴンボール』の精神と時の部屋じゃないけど、1日で1年分の修業ができる。(甲子園は)まさに、そういうところ」。悟空とベジータのように、互いを高め合って頂点を目指す。
◆有本 豪琉(ありもと・たける)2010年1月8日生まれ、15歳。兵庫県たつの市出身。175センチ、69キロ。右投げ右打ち。内野手。小学生時代に飾磨野球クラブで野球を始め、6年時には阪神ジュニアに選出。龍野東中時代は兵庫夢前ヤングでプレーし、2年時の23年にタイガースカップで優勝。仙台育英では1年春の東北大会からベンチ入り。好きな言葉は「努力に勝る天才なし」。
◆砂 涼人(すな・りょうと)2009年5月21日生まれ、16歳。岩手県出身。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。内野手。小学1年時に洋野ベースボールクラブで野球を始め、6年時には楽天ジュニアに選出。大野中時代は洋野シニアでプレーし、3年時の24年にU-15W杯日本代表に選出され、初優勝に貢献した。仙台育英では1年春からベンチ入り。好きな言葉は「凡事徹底」。





