出場辞退の広陵校長が悔やんだ対応「両者が納得して終えることが最優先だと職員に指導できなかった」
広陵(広島)は10日、堀正和校長が甲子園球場の大会本部を訪問し、第107回全国高校野球選手権大会の第9日・津田学園(三重)との2回戦の出場を辞退すると発表した。
広陵は大会直前、1月に発生した暴力事案がSNSで話題に。メディアでも報じられ、出場を巡り批判的な声も起こる中、7日の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利していた。
広陵は1月の暴力事案が発生後、高野連に報告し、厳重注意の処分も受けた。ただ、被害者との食い違いが生じたことが、今回の辞退へとつながった。
会見した堀校長によれば大会前から出場の判断を協議していたとし、高野連や大会本部の了承も得て出場。ただ、「1点、報告している内容が違うのではないかとSNSに上がった。その際、途中経過の報告を該当する生徒の親御様と本校の野球部でやり取りさせていただいた」という。
「その途中経過の報告内容がSNSに上がり、途中の状況であったが、見る方はそれが全てだと思われたと思う」と、SNSで波紋を呼んだことに触れる一方で、「最終的に調査した結果が、本校が報告した内容だった。その違いが生じたことで、多くの問題が出たように思う」と語った。
結論は第3者委員会に委ねている。「何か事実が出ればすぐに日本高野連に報告するが、それが事実が出てきていない状況の中では大会に出場していいと判断しこの度、出場してきた」。1月からの対応で足りなかった点を問われると、「1つ1つの事象を最後までいい形で、円満に終える、両者が納得して終えることが最優先だと校長として深く反省している。そこを職員に指導できなかったことは校長としての私の責任」と語った。
▽広陵を巡る騒動の流れは以下。
1月22日…暴力事案が発生。
8月5日…SNSの情報をもとにメディアが報じたことで、学校側は当時の状況を当時1年生だった部員が部内で複数の上級生から暴行を受けたことを認めた上で、当時聞き取り調査を行い学校側の規則に則った指導を実施したと説明。高野連に報告し、今年3月に高野連から厳重注意を受けていたと公表した。当該部員は転校し、その後、全国高校野球選手権広島大会が行われていた7月に被害届が提出されたことも明らかとなった。
8月6日…広陵が調査結果を含めた詳細な経過を公表。高野連も出場判断に変更なしと発表。
8月7日…旭川志峯戦に3-1で勝利。
8月7日…旭川志峯戦の試合後、高野連と大会本部は別件で被害を訴えている元部員から情報提供があったと発表。広島県高野連を通じて広陵に確認が行われ、訴えのあった内容について「確認できなかった」と回答があったと説明。「第三者委員会を設置し、現在調査中」との報告もあった。
8月8日…広陵が新たに話題となった事案について説明。2023年に野球部の元部員が監督とコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたとする情報などについて、調査の結果「指摘された事項は確認できませんでした」とした。その上で第三者委員会を設置し、調査中とも説明。





