金足農・吉田大輝 自身責め号泣「調整できなかったのは自分のせい」右太もも違和感、万全で臨めず 兄はオリックス・輝星

 「全国高校野球選手権・1回戦、沖縄尚学1-0金足農」(6日、甲子園球場)

 1回戦4試合が行われ、金足農(秋田)が沖縄尚学に競り負けて2年連続の初戦敗退となった。

  ◇  ◇

 アルプスへのあいさつを終えると、金足農・吉田大輝投手(3年)にもう力は残っていなかった。仲間に背中をさすられながら、地面にガックリと膝をついた。汗と涙が頬を伝う。「球場を出るまで我慢しようと思ったが…。本当に申し訳なくて」と自らを責めた。

 2018年夏の甲子園準優勝時のエースで、オリックス投手の兄・輝星(24)の姿を追うように入学。“カナノウ旋風再び”を目指し昨夏、今夏と背番号「1」を背負って聖地に到達したが、ともに初戦で涙をのんだ。

 万全の状態で晴れ舞台に臨めたわけではなかった。7月31日の練習でキャッチボール中に右太ももに違和感を覚え、この日はベンチスタート。五回2死三塁で3番手として登板し、二ゴロでピンチを断った。たった1球で空気を変えた吉田に球場はどよめいた。しかし七回に決勝点を奪われるなど3回1/3を4安打1失点。「調整できなかったのは自分のせい」と責任を背負い込んだ。

 2度の甲子園はほろ苦い思い出となったが、吉田を一回り大きくした。「兄に比べ、甘やかされて自分勝手なところや弱いところを見せることが多かった。仲間が厳しい言葉をかけてくれて成長できた」と、かけがえのない絆に感謝する。最後の夏を終え「進路は何も考えていない」と話したが、いずれは兄と同じ舞台でプレーすることを夢見ている。

 ◆吉田 大輝(よしだ・たいき)2007年4月23日生まれ、18歳。秋田県潟上市出身。179センチ、86キロ。右投げ右打ち。小学2年から軟式の天王ヴィクトリーズで野球を始め、天王中では同校野球部と硬式のネオグリッターズの両方に所属。金足農では1年春からベンチ入りし、秋から背番号1。

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