兵庫県内有数の進学校 小野が兵庫大会では初4強 成績の学年順位1桁台の代打・松井が逆転サヨナラ打

 9回、2死満塁でサヨナラ打を放つ代打・松井
 三田学園にサヨナラ勝ちし、歓喜する小野ナイン(撮影・西田忠信)
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 「高校野球兵庫大会・準々決勝、小野4-3三田学園」(24日、ほっともっとフィールド神戸)

 兵庫大会の準々決勝が24日、ほっともっとフィールド神戸と明石トーカロ球場で行われ、県内有数の進学校である小野がサヨナラ勝ちでシード校の三田学園を破り、4強入りを果たした。2018年の第100回全国高校野球選手権記念大会の西兵庫大会以来7年ぶりで、兵庫大会では初の快挙。2年生の松井敬悟外野手が代打で逆転サヨナラの2点適時打を放ち、劇的勝利に導いた。

 小野ナインが勝利の雄たけびを空に響かせた。歓喜と悲鳴が交錯し、三田学園ナインが地面にうなだれる。最後まで何が起こるか分からない。これぞ高校野球。秀才集団が歴史の扉を開いた。

 1点リードの九回。2死二塁と勝利まであとアウト一つに迫るも、連打で一気に逆転を許した。場内は三田学園ムード一色。ドラマはここから始まった。その裏、安打と四球を絡めて2死満塁。代打・松井が打席に立った。「初球を振ろうと決めていた」と、強振した打球は三塁強襲の2点適時内野安打。一振りでヒーローに輝いた。

 前の打者が申告敬遠され、出番が回ってきた。「やばい、やばい、やばい」-。ここまで代打で3試合に出場するも無安打。極度の緊張に襲われながらも腹を決めてバットを振った。偏差値70を超える県内有数の進学校で成績は学年順位で1桁台を維持。平日は練習後に塾へ通うが、毎週水曜日だけ父の運転でバッティングセンターに向かいバットを振り込む。試合前日はくしくも水曜日。タイミングバッチリで訪れた自主練習日で「こすり気味だった」と打撃を修正し、劇打を生んだ。ラッキーボーイとなるのは、もはや運命だった。

 北垣賢高監督(49)は高校最後の試合となるかもしれなかった3年生ではなく、2年生の松井を代打で起用。最上級生への情を持ち込まない采配からも甲子園への強い思いがにじむ。「それは3年生も望んでいない。勝つためにやってきたので」。春夏通じて初の聖地まであと2勝。文武両道を極める球児たちの下克上はまだ終わらない。

 ◆松井 敬悟(まつい・けいご)2008年11月16日生まれ、16歳。兵庫県小野市出身。180センチ、84キロ。右投げ左打ち。外野手。小2からオール下東条スポーツ少年団で野球を始め、中学はヤング湊クラブでプレー。小野で1年秋からベンチ入り。

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