「巨人６－５阪神」（２１日、東京ドーム）

　このままでは終われない－。巨人打線が意地の集中打で劇的勝利につなげた。５点を追う七回。六回まで２安打に抑えられた先発・伊藤将から２点を返し、なお１死一、三塁で、この日スタメン起用のリチャードだ。

　「ゲッツーは打ちたくなかったのでバットを短く持った。三振か本塁打かという感じでいった」。２番手・ネルソンのチェンジアップを捉えた一打は左中間席への同点３号３ラン。「うわぁ～やったな、やっちゃったなぁ」という手応え十分の一撃に、雄たけびを上げてのダイヤモンド一周で喜びを爆発させた。

　阿部監督も「冗談で宝くじが当たったらと言ったけど。本塁打にできる力を持っているので起用した」と喜んだ一発が流れを変え、九回２死満塁からは吉川の中前へのサヨナラ打が飛び出した。

　球宴前最後の直接対決で一矢を報いたが首位・阪神とは１０差。厳しい状況は変わらない。「打者陣が奮起しないと阪神に食らいつくのは厳しい」と阿部監督。この勝利を奇跡へつなげるために、後半戦での立て直しを図る。