「高校野球群馬大会・３回戦、健大高崎７－０前橋工」（１９日、上毛新聞敷島球場）

　夏連覇を狙う健大高崎が８回コールド勝利で８強入りを決めた。昨春センバツＶ腕で、昨年８月末にトミー・ジョン手術を受けた左腕・佐藤龍月投手（３年）が公式戦の復帰登板を飾り、１回無失点。自己最速タイの１４７キロを記録するなど復活を印象づけた。

　６－０の六回にマウンドへ上がると、名前がアナウンスされる前から拍手がわき起こった。盟友の石垣元気投手（３年）らベンチからは「龍月が帰ってきたぞ！！」と声が飛ぶ。先頭を２球で追い込むと、３球目はボールとなったものの、１４７キロをマーク。最後は１４５キロで空振り三振を奪った。次打者には中前打を許すも、後続を断って無失点。まだ３０球を目安に投球制限はあるものの、１回１３球を投じて無事に復活登板を終えた。

　約１週間前に登板予定を告げられ「きょうまで不安な気持ちはありました」と左腕。それでもスタンドからの拍手と仲間の声援に後押しされ「いろんな方に支えられてここまで来られた。感動しました。１年間ツラい時もあったんですけど、その時期を乗り越えてマウンドに立てたことはすごくうれしいです」と感慨深そうに振り返った。ネット裏では阪神の吉野スカウトらも見守っていた。