ソフトバンク 育成出身の山本がプロ初アーチ 小久保監督絶賛「本当に大きかった。いい本塁打」
「ソフトバンク10-2ロッテ」(15日、みずほペイペイドーム)
鮮烈なプロ初アーチだった。1点を追う三回2死一、二塁。5番のソフトバンク・山本がボスの149キロ直球を逆方向へ運んだ。高々と上がった打球は左翼テラス席に飛び込む逆転3ラン。ダイヤモンドを一周しながら拳を突き上げた一振りが、チームを連勝に導く決勝打となった。
「逆方向への長打は自分の持ち味。(今までの本塁打で)一番」
国士舘高3年夏の大会は右肘のけがで出場できなかった。失意で一度は野球をやめることも考えた。明星大進学後も気持ちが入らず、最初の1カ月ほどは練習を休む日も多かった。それでも右翼が狭い同大のグラウンドを逆手に逆方向への当たりを磨く中、ついに左越えの場外への当たりを放ち、スカウトの目に留まった。
2021年年度育成9位で入団。膝のけがを乗り越え、勝負の1年と位置付けた4年目の今年4月、念願の支配下登録をつかんだ。7月3日に2度目の1軍昇格を果たし、同日の日本ハム戦でプロ初安打など3安打をマーク。37打席目でうれしい一発が生まれた。
チームは19試合ぶりの2桁得点で、首位・日本ハムに2・5ゲーム差とした。小久保監督は「山本の本塁打が本当に大きかった。いい本塁打」と絶賛。新たなヒーローが生まれた。
◆山本 恵大(やまもと・けいた)1999年8月6日生まれ、25歳。東京都出身。183センチ、86キロ。右投げ左打ち。外野手。国士舘高、明星大を経て、21年度ドラフトでソフトバンクから育成9位指名。25年4月に支配下登録され、4月16日のロッテ戦に代走で1軍初出場。7月3日の日本ハム戦で「6番・右翼」で1軍初先発。プロ初安打を含め3安打を放ち、猛打賞を達成した。





