ヤクルト 45歳石川、四回途中KOで189勝目ならず 佐藤義則氏「四回は小手先でかわすような投球になっていた」
「阪神5-2ヤクルト」(12日、甲子園球場)
5月18日以来の1軍登板となったヤクルト・石川は3回0/3を3失点で降板し、今季3勝目、通算189勝目は手にできなかった。三回までは1安打投球も2点を先制してもらった直後の四回に4安打を浴びるなど1死も取れず逆転を許した。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は「四回は小手先でかわすような投球になっていた」と指摘した。
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石川は初回からストライク先行で持ち味の緩急も使いながら、打者のタイミングをうまく外して投げていた。しかし、先に点を取ってもらって気持ちに変化があったのかどうかはわからないけど、四回はボールを置きにいく感じで、小手先でかわすような投球になっていたように見えた。
先頭の中野に安打を許すと、ボール先行でカウントを悪くして森下に四球を与え、佐藤輝にも右前打を打たれてピンチを広げた。大山の右前への2点打は浜風の影響で押し戻される不運なところもあったが、続く小幡にはフルカウントから128キロのストレートを打たれて勝ち越された。
石川のストレートは130キロにも満たない。スピードのない投手が小手先でかわすような投球をしてしまうと相手の思うツボになる。じっくりボールを見られてしまうからだ。スピードは出なくても、しっかりと腕を振って目いっぱいのストレートを投げながら変化球を織り交ぜていく投球をしないといけない。
通算200勝まであと12勝。なんとか頑張ってほしいけど、きょうのような投球だと、ちょっと厳しいだろう。今年で45歳。経験豊富な投球術があるにしても、年々スピードは落ちていくし、体力的にも先発として長いイニングを投げるのが難しくなっていく。とはいえ、可能性がまったくないわけではない。最後まであきらめることなく、もがきながら前に進んでいってほしい。




