長嶋茂雄さんが導いた不思議な“親子対決” 佐倉・川嶋泰成の父は相手校監督「信じられない気持ちでした」
「高校野球千葉大会・2回戦、佐倉10-2千葉工」(12日、袖ケ浦球場)
「ミスタープロ野球」の愛称で親しまれ、6月3日に逝去した長嶋茂雄さん(享年89)の母校・佐倉が8回コールドで初戦を突破し、天国に弔い星を届けた。スタンドで応援した川嶋泰成投手(1年)にとっては、長嶋さんへの思いはもちろんのこと、特別な意味を持つ一戦だった。
父は、相手校である千葉工の孝之(あつし)監督(41)だ。中学1年時に父から長嶋さんが佐倉出身だという話を聞き、Youtubeで現役時代の動画を検索。「全てに一生懸命で、気迫あるプレーに憧れました」と虜になった。文武両道を志していたこともあり、県内屈指の進学校である同校を志望。塾や市民図書館を利用して勉強に励み、この春、見事に合格を勝ち取った。
「子ども思いで、進路のこととか、勉強どう?とか、声をかけてくれます」という父と、初めて迎える夏の初戦でまさかの対戦。組み合わせが決まった際は「信じられない気持ちで、複雑でした」と苦笑いした。現在は故障からの復帰を目指している最中だが、「みんなを助けられる、チームの主軸になりたい」と川嶋。偉大な先輩が導いた“親子対決”を経て、3年間で大きく成長する。




