「ロッテ１－１３日本ハム」（９日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　もう、どうにも止まらない。日本ハム・レイエスのバットが夏本番だ。相手の出はなをくじく先制満塁弾。リーグトップの１７号が、今季最多１３得点大勝の呼び水となった。初回無死満塁から石川柊の外角直球を右越えにライナーでズドン。ベンチ前に戻ると、胸をたたく恒例のドラミングパフォーマンスで喜びを表した。

　ここ４戦３発。６日の楽天戦で来日３本目の満塁弾を放った３日後、４本目を加算した。７日が３０歳の誕生日。２０代最後に続いて３０代初アーチもグランドスラムとなり「あの場面でああいう打撃ができたことは本当にうれしい」と頬を緩めた。

　来日１年目の昨季は、不振で１カ月間の２軍落ちも経験。６月の再昇格後に、メジャーで２度の３０発を記録した本来の打撃を取り戻した。２年目の今季は打撃のリズムを崩しても短期間で修正。この交流戦後も直球や変化球のどちらが来るかといった配球を考え過ぎず「ボールを見て反応することだけ」に集中し、復調につなげている。

　すっかり日本を気に入り「できればここで現役引退したい」とチーム愛も強い。ドラミングも「ファンと一緒にできるパフォーマンスをしたかった。引退した５年後とかでもバナナを見たら『レイエスだ』っていうのを増やしたい」と語っていた。日本になじみ、昨季以上の爆発も期待大だ。

　チームは今季２度目の５連勝で同最多の貯金１６。「いつもチームに貢献したいと思っている」という主砲が、さらに勢いを加速させる。