「高校野球京都大会・２回戦、京都広学館９－４洛東」（９日、太陽が丘球場）

　京都広学館が延長十回タイブレークで洛東を下し、初戦を突破した。エース・藤井智基投手（３年）が１０回を１１１球、１１安打４失点（自責２）、無四球の７奪三振で完投。バットではタイブレークの十回、無死満塁で勝ち越しとなる押し出し四球を選んだ。勢いづいた打線はこの回６点を挙げて突き放した。

　藤井は「八回に２失点して追い付かれたが、十回に頼れる打線が打ってくれた」と流れる汗を拭った。無四球完投に「コントロールに自信をもって投げるのが僕のスタイル」と胸を張った。猛暑で試合中に足がつる選手が続出。治療の間に全選手をベンチに下げる対策が２度とられるなどタフな状況だったが、藤井は集中力を切らず、足がつることもなく投げきった。「昨日の夜よく寝られた」と万全の状態でマウンドに上がった。

　今春から、元阪神投手の遠山昭治氏（５７）が部の特任投手コーチ兼チーム強化アドバイザーを務めている。藤井は「メンタルの保ち方、投球の組み立てでボール球の使い方などを教わり、参考にしている」と感謝を口にした。この日が３７歳の誕生日の原隆徳監督も「藤井は最近調子を上げている」と“遠山効果”を実感していた。

　遠山コーチは「中断があり、リズムに乗りにくい中でも淡々と投げてくれた」とエースをたたえた。「制球はいいが、春はまだアバウトなところがあった。追い込んでからの攻め方などが成長した」と４カ月間の成長に目を細めると、藤井も「次は完封できるように」と頼もしく宣言した。