日産自動車が16年ぶり復活後の公式戦初勝利 4番・石飛智洋が4安打3打点「強い日産を取り戻す」
「都市対抗野球・西関東予選・第1代表決定トーナメント2回戦、日産自動車10-0甲斐府中クラブ」(2日、等々力球場)
2009年限りで休部し、今年から16年ぶりに活動を再開した日産自動車が7回コールドで、復活後の公式戦初勝利を挙げた。19安打10得点と打線が爆発し、投手陣を中心とした堅い守りで本塁を踏ませず。新生チームの4番を任される左の強打者・石飛智洋外野手(22、天理大)が4安打3打点でけん引した。
初回2死二塁では先制の中前打を放った。100キロ前後の球を投じる先発左腕に対し「打球を上げに行ったらフライになっちゃうなと思ったので、強く低くというのを意識しました」とアジャスト。伊藤祐樹監督(52)は「最初2人が凡退して、そのまま行くと嫌な流れだなと思った時に4番が打ってくれたので、みんな肩の荷が下りたと思う」と感謝し「彼もずっと悩んでいたんですけど、大学時代から実績十分なので、こういう舞台でも落ち着いて自分のパフォーマンスができて、さすが」とたたえた。
この試合までは「強い打球で内野の間を抜くようなイメージを目指してやっているんですけど、自分の中でしっくりくる打球が行ってなかった」と石飛。それでも「ウエートとか体幹をもう1回見直して準備をしてました」と調整し、ベストな状態で記念の1勝を導いた。
平日の9時開始ながら、応援に駆けつけた従業員や関係者で一塁側スタンドが埋め尽くされ「すごい応援されているんだなと感じました。上司の方にも来ていただいて、すごいありがたかったです」と感謝。同社の経営不振も取りざたされる中ではあるが、「強い日産を取り戻すために、やっとスタートラインに立てた。ここから2連勝して第1代表になりたい。見ている人にワクワクしてもらえる、元気を与えられる試合をしたい」と名門復活へ前を向いた。
西関東地区の代表枠は2つ。次戦は8日に横浜スタジアムで東芝との準決勝に臨む。




