日本ハム・達 大谷超え日本新!デビューから先発6連勝 新庄監督 熱中症危惧「完投なし」指令も初完投

 4安打1失点に西武打線を抑えた達(撮影・園田高夫)
 完投勝利で5勝目を挙げた達(撮影・園田高夫)
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 「西武1-2日本ハム」(29日、ベルーナドーム)

 27個目のアウトを奪うと、日本ハム・達は小さく手をたたいた。115球という熱投で見せた意地がある。「疲れてましたよ、(最後は)気持ちで投げていました」。NPBでは史上初となるデビュー戦から全て先発登板での6連勝という快挙を、してやったりの初完投星で飾った。

 暑さにも、ピンチにも涼しい顔で動じない。二回はネビンに先制ソロを被弾するも、冷静に後続を打ち取っていった。すぐさま逆転してくれた味方に勇気をもらいながら、試合後には「監督がそう言っていたので。やってやりました」といたずらっぽく笑みを浮かべた。

 伏線は27日だ。この時期独特の湿った暑さがベルーナドームを襲い、西武・今井が熱中症で緊急降板した。この事態に新庄監督は「この球場だけは完投なし」とピシャリ。だが、こだわりを人一倍持つ達は「完投する気満々でしたね」とどこ吹く風。やる気スイッチが入った瞬間だった。

 この結果に、新庄監督もうれしい悲鳴を上げるしかなかった。「ボスの言うこと聞かない子だね。ルール違反の完投」と表情を緩ませて、「(発言を)チェックして、最初から『逆にいったろう』という選手だと思う。ちょっと勉強になりました」と笑うしかない。

 暑さを考慮しなければいけない酷暑も近づくが、この日の達自身は経口補水液を含め、水分を朝からたくさんとって対策。奈良・天理高出身の右腕にとっては「暑いところでいっぱい投げてきた。(奈良の)『さとやくスタジアム』に比べれば、あれに勝てるものはない」と言い切る頼もしさも強さの秘密だ。

 21年度のドラフト入団から4年。いまだ無傷の負けなしで白星を重ねてきた。「(連勝記録は)あまり意識していないけど、この記録を伸ばしていけたら。次は完封したい」。新庄監督との“心理戦”に打ち勝ち、球史に名を残した。

 ◆達 孝太(たつ・こうた)2004年3月27日生まれ、21歳。大阪府出身。194センチ、101キロ。右投げ右打ち。投手。天理高では3年春の選抜大会でベスト4。21年度ドラフト1位で日本ハムに入団した。22年9月25日の楽天戦(札幌ド)で先発して1軍初登板。23年は1軍登板がなかったが、24年10月3日のロッテ戦で先発、5回無失点に抑えてプロ初勝利。長身を生かした直球、キレのある変化球が武器。

 ◇初登板から先発登板のみで6連勝 達が昨年10月の初勝利から6連勝。22年9月・楽天戦でのプロ初登板で先発して、この日まで8試合ですべて先発で6つの白星を積み重ねた。これまでデビューから先発登板のみで高木勇人(巨人)、山下舜平大(オリックス)、武内夏暉(西武)が5連勝を記録していたが、達はNPBで初めて6連勝をマーク。また、球団としても先発登板のみではないもののデビューから5連勝した大谷翔平の記録を超えた。

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