元ロッテ・渡辺俊介の息子、東大・向輝 父の前で魅せた3連投1回0封 代表ならずも強みを再確認
日米大学選手権(7月8~13日・エスコン、神宮など)に向けた「侍ジャパン大学代表選手選考合宿」が23日、神奈川県のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで打ち上げられ、代表選手26人が発表された。元ロッテ・渡辺俊介氏(48、現日本製鉄かずさマジック監督)の長男で、プロ志望届提出の意向を示している東大の下手投げ右腕・渡辺向輝投手(4年・海城)は惜しくも選ばれなかったが、紅白戦で3連投し、いずれも1回無失点に抑える好アピールを見せた。
魅力は存分に伝えた。3日連続の紅白戦で、渡辺は唯一の3連投。最終日のこの日もテンポ良く腕を振った。
同点の四回に登板。先頭に左前打を許したが、次打者を高め直球で遊ゴロ併殺に仕留めると、最後はスライダーで空振り三振に。「自分のスライダーは浮き上がるとチームに広まっていたので、逆手に取っていけたらと思った」とスライダーの割合を減らした中で持ち味を発揮した。
前日の登板をスタンドから見守った俊介氏からは「よく粘ったね」と連絡があったという。父が活躍したプロの世界を目指す仲間と時間をともにし「どれほどレベルが高いか思い知らされた」と本音を明かしたが、「相手のレベルがいくら高くなっても、同じような打球を打たせることができた」と強みも再確認した。
1983年・大越健介、2016年・宮台康平以来、東大史上3人目の代表入りは逃したが、収穫もたっぷりだ。「東大は『頭で勝とう』と取り組んでいるんですけど、野球に関しては合宿に来ている選手の方が頭を使えるし、勝てないところばかり。チームに持ち帰って共有できたら」。かけがえのない経験を手土産に、さらなる高みを目指す。
◇渡辺 向輝(わたなべ・こうき)2004年2月25日生まれ、21歳。千葉県浦安市出身。167センチ、63キロ。右投げ右打ち。年長から学童野球に参加し、小学3年から浦安ベイマリーンズへ入団。中学受験で海城中に入り軟式野球部でプレー。海城では1年秋からベンチ入り。東大では2年春にリーグ戦デビュー。通算成績は1勝9敗、防御率4・34。50メートル走6秒8、遠投105メートル。大学では農学部で農業・資源経済学専修。





