東北福祉大・桜井頼之介が8回途中1失点の好投で初戦突破 阪神スカウト「投球がうまい。自分のペースで投げられている」

 「全日本大学野球選手権・1回戦、東北福祉大4-2九産大」(10日、東京ドーム)

 スタンドにいる仲間たちから送られたねぎらいの歓声に、東北福祉大・桜井頼之介投手(4年・聖カタリナ学園)は手を挙げて応えた。4-1の八回1死一、二塁に、相手4番をスライダーで空振り三振に仕留めたところで降板。大学での全国デビューを上々の内容で終え、表情は晴れやかだった。

 「大学では初めての全国の舞台で少し緊張というか、フワフワしていた部分があったんですけど、イニングを重ねるごとに慣れてきて自分の投球ができたんじゃないかと思います」

 急な事態にも動揺はなかった。2回戦までは2会場で行われる今大会。神宮球場の2試合目に初戦を迎える予定だったが、降雨により、この日の朝に東京ドームの4試合目に変更となった。それでも「難しさはなかったです。少し寝直してから、ストレッチとかアップを入念にしました」と慌てることなく対応。結果的に12球団のスカウトほとんどが集結する形となり、「プロ一本」と希望進路を明かしている右腕にとっては絶好のアピール機会にもなった。

 マウンドが「自分たちのグラウンドより高くて硬かった」と直球が浮く場面もあったが、徐々に適応。自己最速タイの151キロ直球とスライダーなど豊富な変化球を組み合わせ、9三振を奪った。四回にはソロを浴び「打たれるよりもフォアボールが嫌で、自分らしくない球がいってしまった」と反省したが、121球を投じ7回2/3を5安打2失点とゲームメーク。視察した阪神の葛西スカウトは全国舞台での投球について「スピードも出ているし、変化球も相変わらず多彩でコントロールが良い。自分のペースをキープしてしっかり投げられているし、投球がうまい」と評価した。

 身長173センチ、体重66キロと小柄ながら、マウンド上での非力さは感じさせない。2018年の67回大会以来の頂点へ「まず1勝なんですけど、全員で日本一を目指しているので、初戦は勝って当たり前かなと」と右腕。仲間を信じるエースが、力強くスタートを切った。

 ◇ ◇

 桜井 頼之介(さくらい・よりのすけ)2003年7月21日生まれ、21歳。兵庫県尼崎市出身。173センチ、66キロ。小1から難波ホークスで野球を始め、尼崎中央中では尼崎ボーイズでプレー。聖カタリナ学園では1年秋からベンチ入りし、同校の甲子園初出場となる3年春センバツでは1回戦で完投も敗戦。東北福祉大では1年秋にリーグ戦デビューし、4年春にMVPを獲得。50メートル走6秒2、遠投120メートル。変化球はカーブ、ツーシーム、スライダー、縦スライダー、カットボール、チェンジアップ、スプリット

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