早大3連覇 エース・伊藤樹まさか5失点も完投 笑って涙「本当に前半は苦しかった」 小宮山監督の信頼不変

 優勝を決め歓喜の早大・伊藤樹(中央)ら早大ナイン(撮影・金田祐二)
 閉会式で長嶋茂雄さんに黙とうを捧げた六大学の選手たち
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 「東京六大学野球・優勝決定戦、早大6-5明大」(4日、神宮球場)

 早大と明大による2季連続の優勝決定戦が行われ、早大が接戦を制して3季連続49回目の優勝を果たした。5月19日の明大2回戦でノーヒットノーランを達成した伊藤樹投手(4年・仙台育英)が5失点ながらも9回完投。寺尾拳聖外野手(3年・佐久長聖)が先制打&決勝打を放ち躍動した。9日に開幕する全日本大学野球選手権大会(神宮、東京ド)に出場する。この日は、立大OBで、3日に逝去した巨人・長嶋茂雄終身名誉監督をしのんで半旗が掲げられ、閉会式では黙とうが行われた。

 歓喜に沸くスタンドがぼやける。三たびたどり着いた頂点で、笑いながら泣いた。「本当に前半は苦しかったので…」。簡単ではなかった道のり。マウンドには最後まで伊藤樹の姿があった。

 思わぬ展開だった。初回に4点援護を受けたが、三回に小島河に逆転3ランを被弾するなど、まさかの一挙5失点。「前回対戦で直球とスプリットを多用したので、ちょっとでも意識を変えてくれればという配球だったんですけど中途半端になっていた」と緩い球を使った投球が裏目に出た。

 それでも「何回まで投げるとか関係なくギアを上げました」と修正。最速150キロを計測するなど力強い投球で以降はゼロを並べ、昨秋V決定戦の完封に続く完投で3連覇への道をつくった。

 今季は苦悩が多かった。東大との開幕戦で打球直撃のアクシデント。5月5日の立大3回戦では右手人さし指のマメが破け自己ワースト3回8失点の屈辱も味わった。それでも、丹念な調整でマウンドに戻り続けたエース。小宮山監督も「樹と心中のつもりでいた」と不変の信頼を寄せた。

 「まだ道半ばだと思うので、一戦必勝で頑張りたい」と右腕。次は日本一のマウンドに立つつもりだ。

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