長嶋茂雄さん 名シーンの象徴「我が巨人軍は永久に不滅です」【引退スピーチ全文】

 プロ野球の国民的スーパースターで、元巨人・長嶋茂雄さんが3日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。

 ミスターの愛称で親しまれ、88年には野球殿堂入り。そして、13年には国民栄誉賞を受賞した。プロ野球界の枠を超えた、まさに国民の宝。プレー、そして言葉でファンを魅了した。

 数々の名シーンが思い起こされるなか、74年10月14日、静まり返る後楽園球場で行った引退スピーチもそのひとつ。その全文を振り返る。

   ◇   ◇

 昭和33年、栄光の巨人軍に入団以来、今日まで17年間、巨人ならびに長嶋茂雄のために絶大なるご支援を頂きまして、誠にありがとうございました。

 皆さまから頂戴致しましたご支援、熱烈なる応援を頂きまして、今日まで、私なりの野球生活を続けて参りました。今ここに、自らの体力の限界を知るに至り、引退を決意致しました。

 振り返りますれば、17年間にわたる現役生活、いろいろなことがございました。その試合をひとつひとつ思い起こします時に、好調時は皆さまの激しい、大きな拍手を、この背番号3を、さらに闘志をかき立ててくれ…。

 また不調の時、皆さまのあたたかいご声援の数々のひとつに支えられまして、今日まで支えられてきました。

 不運にもわが巨人軍はV10を目指し、監督以下、選手一丸となり死力を尽くして最後の最後までベストを尽くし闘いましたが、力ここに及ばず、10連覇の夢は敗れ去りました。

 私は今日、引退を致しますが、我が巨人軍は永久に不滅です。

 今後、微力ではありますが、巨人軍の新しい歴史の発展のために、栄光ある巨人が明日の勝利のために、今日まで皆様方から頂いたご支援、ご声援を糧としまして、さらに前進して行く覚悟でございます。長い間、皆さん、本当にありがとうございました。

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