「日本ハム１－０ロッテ」（１日、エスコンフィールド）

　見たこともないような速さで、日本ハム・レイエスがダイヤモンドを一周した。顔は満面の笑み。本塁で待つチームメートの輪に飛び込むと、喜びを爆発させた。「めちゃくちゃ興奮していた。もうホームにかえるっていう意識だけで全力疾走していて」。昨年９月１１日の西武戦以来となる自身２本目のサヨナラ弾。その時以来の２日連続サヨナラ勝ちをもたらした一撃を、うれしそうに振り返った。

　両チーム無得点の九回無死。代わりばなのゲレーロが３ボールから投じた４球目、１５９キロ直球を逃さなかった。弾丸ライナーで右越えに突き刺す１１号ソロ。本塁打王争いでもリーグ単独トップに立った。

　信頼に応えた。「待てのサインを出そうか」と考えた新庄監督の脳裏によぎったのは、３日前の会話。米国時代は３ボールからどんなサインが出ていたかを確認していた。「『オフコース、打て、だ。自由に任せて打たせてくれていた』と。で、打てのサインを出した。大したもんですよ」。そう指揮官をうならせた助っ人は「（同点の）あの場面では自分は絶対に振りたい意識があった。自由を与えてくれることは自信にもつながる。監督、コーチには感謝しています」とうなずいた。

　最高の勝ち方で今季５度目の同一カード３連勝。今季最多の貯金９として、昨年の貯金７を上回った状態で交流戦を迎える。古巣・阪神との初戦に向け、新庄監督は「藤川監督の野球、あとは継投。僕はたぶん読めないと思うので、それは楽しみにしたい」と笑みを浮かべた。昨季交流戦の首位打者＆ＭＶＰに輝いた水谷を阪神戦から１軍に昇格させることも明言。準備万全でセ・パ首位対決に臨む。