オリックス・西川 偉業につなげた野球漬けの日々 父から「野球の方が大事やろ!」修学旅行をキャンセルした逸話
「ソフトバンク5-13オリックス」(25日、平和リース球場)
自らのメモリアルを試合開始早々の一発で祝った。10年目のオリックス・西川龍馬外野手が初回無死一塁、上沢から右翼席へ先制の2号2ランを放ち、史上322人目となる通算1000安打を達成した。
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“天才”の異名を取るが、積み重ねた数字は努力のたまものだ。4人兄弟の長男。中学時代までは自宅の庭での1000球のティー打撃とランニングが日課だった。
野球漬けの日々を物語る逸話がある。中学校の修学旅行前日。ほろ酔いで帰宅した父から「野球の方が大事やろ!」と言われると、西川は納得する。修学旅行はキャンセル。当日はバスを見送り、学校で自習。夕方から走り込みをしたという。後日、父から謝られたと言うが、一流バッターとなった今では笑い話だ。
転機は敦賀気比への進学。1学年先輩・吉田正尚(現レッドソックス)の打撃に衝撃を受けた。「僕よりちっちゃいのに一番飛ばしていた。初めてすごいと思った人」。王子を経てドラフト5位で広島に入団してからは同学年の鈴木誠也(現カブス)と出会い、切磋琢磨(せっさたくま)。一人の孤独な練習を大切にするとともに、ピアノ、ビジョントレなど、野球につながると聞けばトライした。1000安打も通過点。求道者の探究心が尽きることはない。(2017~19年広島担当、デイリースポーツ・杉原史恭)
