開幕3連敗の巨人・戸郷翔征は「紙一重だった」「真っすぐ自体は確実に良くなってる」評論家の視点
「巨人1-10阪神」(5日、東京ドーム)
巨人・戸郷は6回3失点(2自責)で3敗目を喫したが、阪神OBでデイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「開幕直後に投げてた真っすぐとは質が違う。今日は勝てなかったけど、内容は紙一重。確実に良くなってる」と次回登板へ期待を込めた。
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戸郷は立ち上がりから真っすぐで押してきたけど、キレがあった。開幕直後は球速は出ていてもキレがなかった。2軍調整でいろいろ見つめ直す中で、つかみ直したところもあったんじゃないか。
分岐点になったのは森下に同点ソロを許したところか。3ボールからの真っすぐを打たれたことで、そこから真っすぐの割合が減りだした。
六回は3巡目に入るところで相手の目先を交わす意味もあって変化球の割合が増え、完璧に打たれた打球ではないものが安打になる不運もあった。中野の勝ち越し内野安打が仮にアウトになっていれば、こんな試合展開になっていなかったはずだし、本当に紙一重の内容だったと思う。
二回の大山、森下に本塁打を打たれた後の佐藤輝、五回の森下から奪った三振なんかは、さすがと思わせるものがあった。今日は捕手が組み慣れた大城卓ということもあってか、配球が開幕直後とは違ったところもあった。甲斐と組んでいた時はフォークの配分が多く、戸郷らしさを奪っていた印象があったけど、今日は本来の戸郷らしさというのが見えたような気がする。
ボールの質、キレは確実に良くなっている、負けはしたけど、悲観する必要は全くない。次回登板につながる内容だったと思う。