【解説】巨人・田中将大が無期限2軍調整 遠い「あと2勝」評論家はフォームの乱れ指摘「キャンプでやっていた投球フォームじゃない」
「巨人4-3広島」(1日、東京ドーム)
巨人・田中将大投手が3回8安打3失点でKOされ、日米通算199勝目は持ち越し。チームはサヨナラ勝ちしたものの、試合後に2軍降格が決まった。
初回、先頭・小園を一ゴロ、矢野は外角スライダーで見逃し三振。2死を奪ったが、ここから暗転した。3本の適時打を含めて5連打を浴び、一気に3失点。東京ドームに重い空気が包んだ。
2死無走者からの悪夢。田中将はなぜ打ち込まれたのか。巨人OBのデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「矢野は外からのスライダーで見逃し三振を奪ったけど、あれを見た時にキャンプでやっていた投球フォームじゃないなと感じた。曲げよう曲げようという思いが全面に出て、スリークォーターのような腕の振りになってしまっていた。それでも2死にしたから何とかあとひとつ、と思ったけどな」と振り返った。
楽天を自由契約になることを選択し、巨人に移籍。キャンプでは久保コーチからマンツーマン指導を受け、「縦振り」へのフォーム修正に取り組んだ。ただ、結果を求めるあまり、フォームに乱れが生じた。
関本氏は「最速で147キロの球が1、2球あったとは思うけど、平均145キロ前後。ボールを長く持てず、前で離せないから変化球の曲がりも早い」と指摘。初回の5連打のうち、4本が中前打だったことに「広島の各打者は球威に押される心配がないから、変化球も頭に入れながら引きつけてセンター返し、という感じだった。マー君も変化球で何とかかわそうとするしかなく、フォームが力む悪循環。とんでもないショートバウンドも目立ったよな」と語った。
二回も連打で1死一、二塁とされ、末包にはあわや右中間を抜けようかという右飛。三回も安打と2四球で2死満塁。矢野の右翼線への打球がわずかにファウルとなる場面もあった。いつ大量失点してもおかしくない状況だった。
三回、ベンチへ戻ると阿部監督に肩をたたかれ、交代。代打を送られ、3回69球で無念の降板となった。関本氏は「二回の攻撃で打席が回ってきても代打を送られていたと思う。チーム状態も上がっているだけに、交代は仕方ない」とした。
4月17日のDeNA戦で2回6失点でKOされた後、2軍で調整登板。4月25日のイースタン・日本ハム戦で2回無安打無失点に抑え、この日の登板を迎えていた。 だが、日米通算199勝目は飾れず。阿部監督は「次はちょっといつというのは言えないですけど」と無期限での2軍調整を示唆し、「あと2勝」がまた遠のいた。
「やっぱり真っすぐで押し込めないというのでは厳しい。残念だが、今の球では1軍では通用しない。もう一度、1カ月、2カ月とやり直すしかない」と、関本氏。マー君の復活ロードは険しさを増している。




