DeNA・バウアー611日ぶり星!日本復帰4試合目 自己最多129球、今季初中4日8回1失点「九回も行きたかった」
「DeNA2-1広島」(27日、横浜スタジアム)
思わずほえた。1点リードの八回1死三塁、DeNAのトレバー・バウアー投手は田村に対しナックルカーブを3球続けて空振り三振。次打者・羽月にもフルカウントから迷わずナックルカーブを投じ、空を切らせた。サイ・ヤング賞右腕のすごみあふれる“劇場”に、3万3634人の大観衆は騒然。8回2安打1失点、10奪三振。2023年8月25日の中日戦以来、611日ぶりとなる勝利に酔いしれた。
「きょう一番のヤマ場。インプレーの打球を打たれたら点が入ってしまう場面なので、三振を狙いにいきました」と誇らしげに振り返ったバウアー。2年ぶりに日本球界に復帰し、4試合目での白星に「ようやく初勝利を手に入れることができた」と穏やかな笑みをたたえた。初バッテリーを組んだ3年目捕手・松尾のリードも奏功。序盤は“温存”した宝刀ナックルカーブをあえて後半の要所で多投し、新女房役とのプランが生きた。
今季初の中4日登板で、日米通じ自己最多の129球。それでも「欲を言えば九回も行きたかった」と余力をアピールした。登板間隔を空けずフル稼働をいとわない姿勢が身上。獲得を狙う沢村賞の選考基準でもある200イニングが意識にあるものの、それが可能であるゆえんはトレーニングや食事、睡眠など、右腕の持つフィジカルの理論に裏付けられているという。
大原投手コーチは「もしかしたら(中4日が)できる人もいるかもしれない。その可能性を与えてくれている」と話す。中6日が当たり前となっている固定概念を覆し、チームに新たな一石を投じている。
これでチームは今季初の3連勝。次回登板は5月2日からの巨人3連戦(横浜)に、中4日あるいは中5日で臨む見込み。腕を振り続ける助っ人が反攻の中心になる。